能力の使い方
虫の話題のせいで、ユイがフリーズしてしまい、実害を受けることがないとわかったのか、今度はサユが興味深そうにわたしの瞳を覗いていた。
「レンの能力って、どんな風に使ってたの?
いまだと、カンニングに使ったりとか、気になるあの人の携帯の中を覗いたりとか、やりたい放題出来たけど、その能力でサポートしてたんだよね?」
気になるあの人の携帯を覗けたら良かったのだけれど、残念ながら気になるあの人には、この能力は通じない。それは置いておいて、サユの好奇心に染まった目を元に戻すには、その知識欲を何とかするのが最も簡単なので、隠す必要もないかと話すことにした。
「わたしの仕事は、道案内と敵の位置情報や、その他の物資や要救助者の位置を伝える事だったんだけど、モニター上の地図の上に部隊の位置が示されているって感じでしかなかったんだよ。
でも、実際に見てみないとわからない情報もあるし、より正確な情報を得られるように、視界を貸してもらってたね」
「もう1つは?」
「部隊が天使に見つからないようにしてたよ。とは言っても、認識阻害が利いてくれるのはわたし以下のランクの天使に限られるから、大天使に不意打ちが出来たわけじゃないし、時間も連続1分を何回かしか使えなかったから、雑魚での消耗を最小限に抑えるって意味合いが強かったけどね」
「1分しか持たなかったんだ」
「わたしの能力も無限ってわけではないし、遠距離の姿も見えない相手に使っていたから」
今の話でイメージできるかなと、少し不安だったけれど、サユはそんなそぶりは一切見せずに、むしろ納得したようにうんうんと頷いている。
こうしてみると、サユの方がユイよりも勉強が出来そうなのに、実際は逆というのはなかなか面白かった。




