あの日の約束
ソラと会うのは、いつもビルの上。かつて拠点として使っていたビルと、見た目は全く同じで、政府の使っている建物だという事も同じ。
きっと、働いてい人の何割かも、知った顔ではあるのだけれど、ソラと再会する前に来たときには、ロビーで門前払いされたので、実際はどうかわからない。
「そういえば、この世界にも、神とか天使ってあるよね」
「どれだけいるんだって感じだけどな。この国だけで、神が八百万」
「その成り立ちは、まあ別にいいんだけど。
イメージとしては、天使の見た目って翼をもった人だよね。いわゆる天使と一緒じゃない?」
「旧世界のイメージが残っているんじゃないか?
記憶はないけど、同じ存在って人もそれなりにいるし」
忘れているけれど、どことなく覚えているものがある、と言った感じだろうか。
だとしたら、ソラの事をなんとなくでも、覚えている人が居るかもしれない。そういえば、サユがそんな感じだったっけ。
「で、それがどうしたんだ?」
「旧世界の痕跡が増えれば、約束していたパーティが出来る可能性も高いかなって思って」
「ユイとサユと、後は3人か」
「ソラ的には、3人なんだね」
「嫌か?」
ここで肯定するのも、否定するのも、難しい。気持ち的には、嫌だと思う部分もあるのだけれど、感情を抜きにすれば、少なくとも彼はわたしたちの味方であったことに変わりないから。
それにたぶん、ソラは今でも彼を仲間だと思っているのだろう。
「なんていうか、複雑」
「まあ、そうだろうな。だから、見つけたら一発殴る」
「あっちは、ソラの事覚えていないと思うよ?」
「そもそも、殴れるか微妙なんだよな」
今のソラに殴れないものはないはずだから、気持ち的な問題なのだろうけれど、ソラの様子を見ていると、なぜかモヤっとしてくる。
これが女の勘かと気が付いたのは、もっと先の事だった。




