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正義の味方  作者: 焼ミートスパ


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17/17

17 新たな被害者が加害者母親に相転移(笑)

「わたくしは娘のことを信じています」


そんな宣言とともに動画が始まった





動画に映っているのは


コの字型に並べられた長い机


そしてそれぞれの机には人型の人形が座っている


駅のトイレで男女を表すあの人型である




中央の机には校長と教頭と学年主任と担任と書かれた白い人型が座っていた


右側には被害者とその父母と書かれた青い人形が座っていた


左側には加害者とその母親と書かれた赤い人形が座っていた




その中の加害者母親と書かれた赤い人形が、手を振り回しながら熱弁をふるっていた




なお人形には口がないのでパントマイムのアテレコである




赤い人形が叫んだところで一度映像が止まり、そして映像が巻き戻された


そして最初から映された





無駄に凝った動画であった




最初まで巻き戻された映像は校長と書かれた白い人形が話すところから始まっていた



「加害者さんは被害者さんをいじめていました」




校長が言った途端


加害者母親と書かれた赤い人形がガバッと立ち上がり


「そんなことはありません!」


と叫びだした


「娘はしていないって言ってます!」



校長が


「学校として公平に調べた」


と言っても


「証言が正しいとは限らないでしょう!」


と自分に都合が悪い証言は否定した上に


「証拠はあるのですか!」


とキーキー喚き出した



いじめに証拠はないのが普通だ


某将棋漫画の教師だって言っていた




だれが今からいじめられるからと動画を撮るというのだろう


それに学校ではスマホは禁止である


登校してすぐに電波遮断袋に入れた上に鍵付きのロッカーに教師が入れるのだ




逆に


「いじめていないという証拠は」


と言えばいいのだがそこまで性格の悪い人間は学校側にも被害者側にもいなかった


性格が良い人間が損をするのが現代社会である


いや名古屋市という都会だからと言いかえてもいいかもしれない




長野県の山の中の学校から引っ越してきたらいじめ全盛期で


「こいつらあたまおかしい」


と思ったことがあった


田舎と都会の格差というのは経済だけではなかったということである





話を戻そう



「被害者が訴えている」


「目撃者もいる」


そう校長が言っても加害者母親は


「証拠がない、冤罪だ!訴えてやる!」


という姿勢を崩さなかった




結局は話し合いは不調に終わりいじめについてはうやむやになった




まあ被害者が訴えたことにより隣のクラスに移動していじめがなくなったからということもある



でも被害者は自分が何も悪くないのにいじめられ


被害者なのにクラスを移動させられ


被害者なのに心無い目を向けられ


心が折れた





そんな心理描写まで丁寧に解説された動画であった


・・・ちなみに無駄にクオリティが高いことについてAIの功績である


良い世の中になったというべきであろうか?




まあ動画が指示するだけで作られるようになり、いじめの会合の内容がわかりやすくなったことから見るとよくなったということだろう



という訳で被害者の傷ついた心を動画を見た人間は受け取った




そのうえで動画の最後に


『こんな人間を第三のキラが成敗したのだ』


とのコメントがあれば結果は火を見るよりも明らかであった



いままでガソリンが入った袋を投げつけられて火をつけられた被害者だとされていた加害者母親への同情は相転移することとなった



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・・・これで宇宙は救われるとか赤い目の白い動物が言っていたとかいないとか(笑)

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