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プロローグ
桐谷ユリカは完璧だった。
容姿端麗、成績優秀。
おまけにお人好しともとれるような、心優しい性格。
優等生という言葉は、彼女のためにあるようなものだった。
汚れひとつないローファー、一度も折られたことのないスカート、毎日綺麗に巻かれた栗色の髪。
彼女と同じ2学年の人間はそんな彼女を「ユリカ様」なんて呼ぶこともしばしば。
そんな溢れ出る気品を持つ彼女にはとある噂がある。
桐谷ユリカは、あの四大財閥の一角、桐谷グループの令嬢なのではないか……?
────そんな噂と降り注ぐ好奇の目線を涼しげな微笑みとともに交わして、今日もユリカは築40年のボロアパートに帰り、アルバイトに勤しむのであった。




