80話
ヴァイアは、大剣を担ぎゴーレムの前に立つ。
ゴーレムが動いた瞬間。ヴァイアは、前方宙返りをしてその勢い活かし大剣をゴーレムに振り下ろす。
ドーンっと轟音が鳴り響く。
たった一撃でゴーレムは、粉砕。クラスメイトたちは、ヴァイアを見る目を変える。
ヴァイアの足元から黒いモヤが一瞬見えたような気がした。
俺に嫉妬していたヴァイアは、なぜかギロっと殺意を込めてロイドを睨みつけた。
バルトは、「やべ」とか呟いてゴーレムを確認しに向かった。頭をかいて困っていた。
どうやら粉砕されたゴーレムは、コアも粉砕されて再起不能になったみたいだ。
「ヴァイアは、弱いと思っていたのだが俺の目は節穴だったらしいな。強いな」
ん。あの強さ。よく見てみるか。
ヴァイアを包む黒いモヤの魔力。何かしらの宝具を使い黒いモヤを隠蔽している。
スキル「鑑定」を使ってようやくわかった。やはり目を使うスキルを使うと目が痛い。ティマもスキルの使いすぎで失明したし。やっぱりあまり使わない方が良さそうだな。
にしてもあのモヤ。もしかして。
「先生。すいません。」
「いや。いいがどうすっかな。」
「では、俺がロイドと手合わせをするのは如何でしょうか」
黒いモヤが一瞬。光を放ったように見えた。
「あ。それがいいな」
酔っているのな浮ついた声色。バルトの様子が少しおかしい。
止めようとしたその時。すでに直剣を抜きロイドは、ヴァイアと戦うつもりのようだった。
あのモヤ。勘違いじゃなかったらまずい。
「ロイド。本気で来いよ?」
「わかりました。――胸をお借りします!!」
バルトが両者の中心に立つ。
「お前ら準備はいいな。」
両者が軽く頷く。
「はじめ!」
バルトは、腕を勢いよく振り下ろす。
ヴァイアは、大振りで大剣を薙ぎ払う。瞬時にロイドは、頭を下げてヴァイアの死角に潜り大剣に合わせ背後に回り込み突きを放つ。
気づくはずのないその突きに合わせ後ろ振り向きもせず大剣の腹で防ぐ。
ニヤリとヴァイアは、笑う。
「へー。やるね。ロイド。」
その不気味な微笑みにロイドは、3歩下がり剣を構え直す。
「キミ。本当に人間か?」
「俺は、人間だよ。あっははは」
大剣を肩に乗せ乾いた笑う。その不気味さにロイドは、さらに距離を取る。
「・・・ロイド。どうした?。来いよ。」
ヴァイアは、手のひらを上に向けて指を前後に曲げる手招きする。その挑発的な態度にロイドは、乗ることはなかった。
「なんだよ。つまんねぇ。」
狂気じみた笑顔で一歩踏み込み大剣を頭上まで振り上げロイドに振り下ろす。
ロイドは、剣で受ければ死ぬと予知して左に避けてヴァイアから距離を取る。
ドーンっと轟音が鳴り響く。大地を揺らす。
大剣で出来たクレーター。
その力にクラスメイトは、驚き恐怖が空間を支配する。
ヴァイアを包む黒いモヤが現れる。その背後にシャードデーモンらしき影が薄っすらと見える。
俺は、立ち上がり紫電を抜刀してその影に目掛け走り出し紫電を影に向かって振り下ろす。
ヴァイアの影から黒い腕が伸び紫電を受け止める。
「やぁ?久しぶりですね。ルクス!!」
「お前!なんで!お前が生きている!!」
執事服を着たシャードデーモンがそこにいた。
「あの時は、よくも私の分身体を殺してくれましたね」
憎しみを込めた台詞を明るい声色で言うな。怖いよ。てかあの時は、こいつの分身体かよ。
「ルクスさん?」
「ロイド。ヴァイアの方を頼みます。僕は、こいつを処理しますので」
「え。はい!」
シャードデーモンは、深々とお辞儀する。
「初めまして。私は、シャードデーモンのゼノスと申します。以後お見知り置きを。いえ、冥土のお土産に覚えてください。」
ゼノスが挨拶を終えると同時に影から黒い槍を無数に生成して放つ。
弾丸のように飛ぶ槍を全て斬り刻む。
「さすがですね。英雄さま!。殺し甲斐がありますね」
ゼノスは、大袈裟に拍手する。




