81話
ゼノスは、大袈裟に拍手をする。
思わず宝具を使ってぶち殺したくなるがグッと抑えゼノスを観察する。
「少しは挑発に乗ってくださいよ?」
「シャードデーモン。何が目的だ?」
「答える必要がありません。仮に理由を答えたとしても貴方が仲間になって頂けるわけでもないですし。ここで殺しておく方が後々、楽になりそうですしね」
ゼノスは、パッと両手を合われると影からモンスターが姿を現した。
猫の顔、犬の胴体、蛇の尾。キマイラによく似たモンスター。
「どうですか? わたしが作ったモンスター、『ワンニャビ』は、可愛いでしょ!」
ワンニャビと呼ばれる偽キマイラを自慢するゼノスのドヤ顔にイラッとくる。
「可愛い? これが? 全くもって可愛くないんだけど」
「ハァ!! 可愛いでしょが! お前殺す!! やれ!ワンニャビ!」
ワンニャビは命令に答えるように吠え俺に向かって走ってくる。よだれを垂らし走る様子は、犬そのものだが顔が猫。違和感がすごい。作って言ってたし生物の冒涜だ。
紫電を鞘に納めワンニャビが俺の間合いに入った瞬間。ワンニャビの胴体を真っ二つに斬る。
ワンニャビは、瞬時に灰となった。
ゼノスは、怒りに満ち魔力が漏れ出す。
「貴様!! よくもワンニャビを!! あっああああああ!」
漏れ出しゼノスの魔力は、槍へと具現化し豪雨のように振り荒れる。避けるのは無理そうだし全て処理出来ない。
「ふぅ。『瞬光一閃』」
一歩踏み込んで紫電を薙ぎ払う。
雷撃のように空に描かれた軌跡は、ゼノスの槍雨を斬り裂く。
ゼノスの槍は、霧散する。
「これでもダメですか」
ゼノスは、とち狂ったように笑い影から剣を召喚し構える。
「魔術では、埒が開かないので次は、こっちでやり合いましょう!」
一瞬にして間合いを詰められ防御に回る。
キーンっと鳴り響く。
ゼノスの剣の速度は、素早く防戦一方になってしまった。
「どうしましたか? 余裕がないようですが!」
「油断大敵ですよ!」
隙をついて剣を弾き体制を崩したゼノスの腹を蹴る。追撃はせず3歩下がり距離を取る。
「ほんと。面倒な相手ですね。」
「シャードデーモン。貴方にだけは、言われたくないですよ」
さっきから面倒くさい攻撃ばっかで対処に困るんだよ。
ゼノスは、不敵な笑みを浮かべる。
「その力。いいな。欲しいな。」
嫉妬に満ちた視線。背筋が凍る。本能がこいつは、危険だと言ってくる。
ゼノスの狂った願いに答えるように魔力が増大していく。5年前に戦ったシャードデーモンよりも遥かにやばい。




