65話
入学式の準備を終えた。数日後、俺は、学園へと向かう馬車に乗っている。
窓から外を眺め、ため息をこぼす。
「ルクス様。どうされましたか?」
「いや。僕。受験してないよなぁと思っていまして」
向かいの席に座るリアが不思議そうに視線を送る。
「旦那様の話、聞いていませんでしたか?」
その問いに自然と俺の視線は、逸らし外を眺めるのを再開する。
「まったく。ちゃんと話は聞いてくださいね。 あのですね。ルクス様は、勲章を賜った英雄なんです。故に学園としては貴方を入学させることで英雄が学んだ学園としても箔がつきます。なのでルクス様は、入学試験を行わなくても合格したということになります。」
それ、ある意味裏口入学じゃん。
「入試がないからてっきり僕は、学校行かなくていいと思ってましたよ」
「もし、学園からのスカウトがなければ旦那様が入試をするように命じたと思いますよ」
それもそうだよな。学園としては、勲章を貰った若者を入学させて多くの若者を入学させる。つまり俺、見世物パンダということだ。学園にとっては、都合の良い存在か。
アルスからしたらいとも簡単に名門に入学させられる絶好のチャンス。アルスから期待されていることは、より良い商人や貴族とコネ作りだろう。
ん。コネクション作りは、商売をやる上で別に構わないけど。貴族との横の繋がりを強くするのは、腹の探り合いに付き合わないと行けないし。・・・商人は、まだ、わかりやすいからわかるけど政治が関わる貴族がなぁ。
「嫌な顔をしてもダメですよ。入学するのは、貴族の義務ですよ。」
「リア、痛いところつきますね」
リアの言う通りだ。義務だ。そう割り切ろう。
なんか。遠くの方から戦闘音が聞こえる。盗賊でも出て商人の荷馬車を襲ってるのか。
リアも気づいたらしく立ち上がる。
「ルクス様。前方見てきます。」
「なんかあったらすぐ戻ってきてください。助太刀しますから」
「はい!」
リアは、走る馬車から飛び降りると綺麗に着地してものすごいスピードであっという間に前方へと走り抜けた。
馬車を運転する御者は、「はや。」っと思わず口走る。




