64話
ゴブリンスタンピードから五年の月日が経ちました。
我が領地は、この国には、なかった畜産業を取り入れたことにより更なる発展と経済効果を生み出しいつかしかグルメ街として有名になった。
大きな経済効果を生み出したことによって我が家、ドラニクル男爵家は、子爵となった。
おそらく、ゴブリンスタンピードを最小限に抑えたことも要因の一つだと思う。
そして、15歳になった俺、ルクスは、今、成人の儀式を終え、社交界デューである俺の成人を祝うパーティー兼舞踏会が行われいる。
ドラニクル家と人脈を作りたい商人や貴族が集まり祝われた。正直、ずっとニコニコっと笑顔にしているのが辛かった。
それに加えて、普段は着ない礼服での挨拶回り、知らない令嬢たちとの社交ダンス。途轍もなく疲れた。それでも顔に疲れを見せないように気を張り続けた。
お忍びで第三王女、モニカ様もいらしたらしい。会うことは、なかった。
舞踏会が終わり、来客たちが帰ったあと、街を一望できるベランダで月を見ながら紅茶を飲んでいた。
「疲れた。」
「ルクス様、御休憩中、失礼します。旦那様がお呼びです。」
振り返るとメイド服を着たレオの妹がそこにいた。とある事情からレオの妹、アリスを預かることになった。本人の希望でメイドとして働くこととなった。
「アリス。ありがとう。今、向かいます。」
俺は、アルスがいる執務室に訪れた。
アルスからとある学園のパンフレットを渡された。
「お父様。これは?」
「前から話していた。国立アルフォード英雄学園のパンフレットだ。」
国立アルフォード英雄学園。次代の英雄を育てるために創立した学園であり、貴族の子供は、15歳になると英雄学園の入学が義務となってる。ただし、余程の理由があれば入学が免除されるのだが俺には、その理由がない。
「ところでルクス。見合いの話なんだが」
「お断りします。」
「ルクス。いい加減、見合いし婚約しろ。」
「冒険者業と畜産事業が忙しいので嫌です。というかその時間があれば他の事業を進めます」
盛大なため息を吐かれた。アルスの手元には、見合いの書類と思われるものがたくさんあった。
世間体があるからアルスの言いたいこともわかるが結婚なってまだ早い。仮に結婚したとしてやらなきゃいけないことが多すぎで奥さんの相手が出来ない。
「その見合いの件は、あとでもいい。入学まで然程時間がない。ちゃんと準備はしとけよ。」
「はい。」
「くれぐれもやりすぎるなよ。」
「・・・はい。では、失礼します。」
俺は、こうして執務室をあとにして入学式に向けた準備を行った。
この時の俺は、まだ知らない。この時の見合いを受けなかったこと強く後悔することになる。




