63話
目を覚ますと見知らぬ天井が真っ先に映った。
ベッドから上半身を起こし周囲を見渡す。
様々なポーションがある棚。長机には、お見舞い用のフルーツバスケットと簡素な作りの水瓶が置いてあった。どうやら俺は、病室に運ばれたみたいだ。
窓から差す月明かりが静寂な病室を照らす。床に照らされた月明かりから少女が出てくる。
白銀が溶け川のように流れたような長髪に月のような瞳、キリッとしたつり目。絹のような肌をしていた少女は、白いドレスを靡かせてニコッと微笑む。
「はじめまして、ルクス君。」
なんだ。この子。今、床から出てきたよな。なんでこの子は、俺の名前を知っているだ。街の住人では、ないよな。目立つ銀髪の少女がいた覚えないし。見かけたことがないかも知れないけどこの子から神聖なオーラとか神秘的な存在の気配を感じる。
「えと。ねぇ。聞いてる?」
「あ、すいません。ところでキミは?」
「ボクは、ルナ。キミにお願いがあって来たんだよ。」
「また?」
「え?また?」
やべ。思わず口にしまった。ど、どう誤魔化そう。
「あ、無理に答えなくていいよ。どうせ、あの子がキミにお願いをしたのだろうから。」
あの子。もしかしてネコのことを知っているのか。仲間なのか。
「また。ダンマリか。まいいや。勝手に話すからキミにも『サンガリオン』を探して欲しいんだよ。」
「サンガリオン?」
サンガリオンってゲームタイトルだろ。なんか意味あったっけ。確かにサンガリオンについて考察サイトあったけど後々タイトル回収のクエストが出るって結論になったよな。
「そう。サンガリオン。」
「サンガリオンってなんですか」
「それはね。」
ルナは、俺に顔近づけて俺を茶化すように微笑むと一歩下がりその場で一回転して唇に人差し指をつける。
「教えてあげーない!」
「いや、教えて貰わないと探せませんよ」
「言われてみればそうだね。」
ルナは、お見舞いの果物を一つ取り齧り付く。美味いっと呟き長机に腰をかける。
「サンガリオンはね。この世界の創造神が最初に作った君たちが宝具と呼ぶ神器。でもその神器は、危険すぎた。だから創造神は、何処かにそれを封印した。でも邪悪な奴らは、それを見つけ悪用しようとしているの。」
「僕がそれを悪用するかも知れませんよ」
「それはないかな。だってキミは、ボクたちが話し合ってこの世界に連れてきたからさぁ。」
え。どう言うこと。連れてきた?。ルナたちが。待てよ。あのネコもルナの仲間で間違いなさそうだなあ。最初っから俺を知っていたし。奴らってのは『七大魔王』でいいのか。なんでそんな危険な宝具を見つけたがっているだ?。奴らに使わせたくないっては、わかる。でもならルナもネコと同じ依頼をするはず。
ルナは、ふと外を見て頬を膨らませた。数秒後。はぁーとため息をついて長机から飛び降りて月明かりにゆっくりと歩き始めた。
「そろそろ時間みたいだし。サンガリオンの件頼んだよ。ルクス君。じゃあね。バイバイ!」
「え?はい。」
ルナは、星屑になって月へと還った。
すると病室の扉が開く。リアが俺の様子を見るために病室へと入ってきた。俺が無事で安心したような表情を浮かべた。
リアから屋敷であった話を聞いた。そして、俺を助けた衛兵長が亡くなった話と俺は、三日間寝込んでいたらしい聞いてたあとリアの説教が朝まで続きました。
シャドーデーモンを倒した日の夕方にアルスが騎士団連れて帰ってきて俺が倒れたあとの事後処理をしてくれた。
ゴブリンがいないか大規模な探索活動が行われた。
衛兵や冒険者、街の人々は、壊れた街の修繕を行なっていた。被害は、城壁前の道と俺の住む屋敷、そして衛兵長、数名の怪我人という最小限でこの騒動、のちに『ゴブリンスタンピード』と呼ばれる災害は、終わりを告げた。
その後。俺は、衛兵長の家族に謝罪をしようとしたが怒れてしまった。謝罪ではなく。助かったと感謝してほしいと言われ感謝を伝えた。
そして、俺は街を救った英雄として王様から勲章を頂きてしまった。名実ともに幼き英雄となってしまった。
これにて第一章、完結となります。
次の話から第二章が始まりますのでぜひこれからもサンガリオンをよろしくお願いします。




