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世界のありかた  作者: 三日坊主
第1章
8/33

7話:続きまして二歩目

遅くなった更新ですが・・。

書いていることは普通です。

 一階に降りてコノハが見たものは、一座の人々その中にはもちろん、母もいてテーブルに置かれたご馳走を囲んでいた。

いったい、なんのために、いつ用意したのかその疑問がコノハの頭を()ぎった。

しかし、その疑問もすぐに解けることとなる。


「コーノハ!14歳の誕生日おめでとう!」


一番歳の近い沙紀(さき)が抜け駆けのように言う。

続いて、一番年上の(ごう)が「おめでとーー!」と声を張り上げて言う。

それに続けとばかり、他の皆が祝いの言葉を投げかけてくれた。


「コノ兄~!!おめでとぅ!!」


一番幼い柚音(ゆずね)が駆け寄って抱きついた時にはすでにコノハは放心していた。

ただただ、ポカンと口を開けていた。

自分の誕生日を忘れていたわけではなった。ただ、いつものようにその日が過ぎるだけだと思っていた。

だから、驚いたのだ。まるで、元服(げんぷく)をするかのような祝いの壮大さに。


(でも、、その儀式は今はなくなっているはずだから違うとして・・・。)


「ふふふ。小葉ったら、放心しちゃってまぁ~。」


母親が近づいてきてもボーと突っ立っていたコノハだが、椿のしっかりおし!っと思い切り背中を叩かれて我に返った。


「団長、母さん・・・。これ、どーしたの?」

「あん?これかい?」

「ま、まさか・・・コノハ忘れたのか?!自分のへぶし。」

「あほんだら!コノハが聞きたいのはそこじゃなか!!馬鹿壕。」

「ば~か号。」

「号。」

「ってまて!お前らぜってぇー名前変えたよな??なんか、船の名前みたくなってやがったし。」

「っは、何言っているの??ゴローちゃん。」

「ちゃんづけ?!しかも、名前ちがっ!!」

「ポチうるせー。」

「ポチ!!犬みたく呼ぶな!!しかも逆切れしてやがるし!?」

「ポチ兄ちゃん♪」

「うおおおぉぉぉぉ!!ゆずまで、そう呼びやがって!!こ、コノハお前は俺の味方だろ??」

「え、えっと・・。」

「こ、コノハぁ~・・・。」


壕は一番年上なのによくみんなに遊ばれている。

今だって、コノハに助けを求めながら、沙紀に飛び蹴りをくらっているし。

普通なら怒るだろうが、壕はめったに怒ったりしない。

危ないことやしてはいけないこととなると、さすがの壕でも怒るけどそこまで怖くない。

それに、妙にコノハに優しいのだ。

 一座の一番年上は椿や椿の旦那白海(はっかい)、それにコノハの母親や音楽担当の薄野(すすきの)菅野(すがの)などの大人を除けば、26歳になっている壕、次に鳥、そして梅姫(うめひめ)葉月(はづき)そしてコノハ、沙紀そして椿の息子の柚音という順番になる。


(それにしても・・・。)


「僕が聞きたいのは、壕にぃの新しい呼び名じゃなくて!!」

「こ、コノハ!!お前まで俺を見捨てるのか?!」

「いや、見捨てるとかじゃなくて!!」

「お、覚えてろよ!!このハブシッ!」

「いい加減にしな、馬鹿者。小葉を困らせるんじゃない。」

「・・・うぅ。」

「ご、壕にぃ~?」


団長にまでコケにされた壕をみてさすがのコノハは心配になった。

久々に会ったからかもしれない。または、騒がしい一座に目が回りそうにもなっていたからかもしれない。

だからだろう、壕を心配してしまったのは・・・。


「・・・。コノハは可愛いなぁ~!!」

「・・・・。」


だから、毎年こういう結果になる。

嘘泣きをコロっと笑顔に変え、可愛い可愛いとコノハの頭を撫でている壕にコノハはがっくりとうな垂れた。


(また、やられた。いい加減学習しろよ僕。)


ッバス。


コノハの頭の上で何か大きな音が聞こえた。


(?)


上を見上げるコノハは、自分の母親がどこからか取り出したハリセンを壕に(かま)えていた。

壕は、壕で頭を抑えながら(うめ)いている。


「母さん?どうしたの??」

「小葉大丈夫よ!悪い虫から母さんが守って差し上げます。」

「・・・は?」


わけが分からないことを言う母の顔は何故か本気だ。

コノハは理由を求めるため周りを見渡したが誰もコノハと目を会わせようとしない。

それより、母が次にどうやって壕に攻撃するのかが気になっているようだ。


「だ、団長・・・。」


情けない声になりながらもコノハは団長に助けを求めることにした。

他に理由を聞いてもまともに答えてくれそうになさそうだからでもあるが・・。


「また、情けない声を出して・・。アンタの母、沙沙羅(ささら)は今わが息子を守ろうとしているんだよ。」

「いや、だからどうしてそうなったのですか?」

「そりゃぁ、壕の目が怪しくなったからさ。」

「は?」

「それより、聞きたいのはこんなことじゃないんだろう?」

「え、あ、はい!!」


団長に聞いても理由がわからなかった。逆にそんなこと扱いにされてしまった。

また、そんなこと扱いされた2人のバトルはヒートアップしていっている。


(もしかして僕が知らなくてもいいことなのかなぁ?)


取り合えずコノハもその話は置いとくことにし、今まで疑問に思っていたことを聞くことにした。


「団長。どうして今回はこんなにも豪華なのですか?」

「今日は何の日かしているだろうに。」

「はい。今日は僕の誕生日だということは知っています。でも、それだけじゃないですよね?」

「まぁなぁ~。小葉は2階でうちに言いたいことがあったんやろ?」

「あ、はい。」

「それを今聞かしてくんろ。」

「え・・・。」

「大丈夫やて。他はあの2人に夢中やから。」


確かに、他の人たちは2人のバトルに熱中している。

時々聞こえてくる怪しい言葉にコノハは何が関係しているのかがわからなかった。


『わっちの子供に何、いやらしい目で見てんねん!』

『いやらしぃ??どこがや!!清潔な目で見てはるやろ!!』

『どの口がそげんなこと言うてんの?』

『この口やで!!』

『っは!!だいたい毎回毎回会うたびに抱きしめようとするんはやめんねい!』

『可愛いものを抱きしめようとするのは何が悪いか!』

『あんたの場合・・・』


などという、怪しい言葉にコノハはさっぱり付いていけない。

だから、無視することにした。

例え、美人と評判の母が腕を()くり、(とり)から刀を貰いその刀を壕に向けていようとも・・。


「僕が、2階で言いたかったことはもう会いに来なくてもいいっということを言いたかったんです。」

「・・・。それは何故かい?」

「僕が一座を離れても今まで何度も会いに来てくれていました。僕もみんなに会えるのを楽しみにしていました。でも・・・。」

「でも?」

「それじゃいけないって、遅くなったけどやっと気づけたんです。」

「・・・・。」

「この一座は僕のせいで5年間この江戸の近くしか周れていない。そう気づいたんです。」

「だから、僕は・・・。」

「もういいよ。」


そういって、椿はコノハの涙を(ぬぐ)った。

いつの間にか涙がでていたらしい。


「なぁ、みんな。今の聞いたろ??」


いつの間にか静かになっている周りを椿は見渡した。

一座の者はみんな頷いていた。


「小葉。私達もきっとアンタがそう言うんじゃないかって思っていたんだ。」

「え・・。」

「ふふふ。何年一緒にいたと思うんだい?生まれてからずっと一緒だったお前の考えていることがわからないはずがないんだ。」

「だ、だんちょー。」

「小葉、何度も話しただろう?アンタのおっとさんのこと。」

「母さん・・。うん、武士だったってことでしょ?」

「そう、アンタはおっとさん似だからねぇ。考えることも似ているんよ。」

「・・・。うん。」

「だから、しばらく会えないかもしれないというちょっとしたお別れ会さ。」

「とりぃ~・・。」

「コノハは泣き虫!でも、一途で頑固。み~んなしってるよ?」

「沙紀・・。それ、褒めてるの?けなしてるの?」

「ふふふふふ。どっちでしょう?」

「コノ兄。また会えるでしょう?」

「そうだね、ゆず。会えるよ!今度は僕が会いに行く!!」

「「「待ってるよ」」」


みんな頷いて笑った。コノハにとって最高の誕生日となったのはいうまでもないだろう。

しかし、壕は下を向いたまま黙っていた。

心配して声を掛けようとしたが、行き成り抱きしめられてしまった。


「コノハ何かあったら、すぐ俺の胸に飛び込んで来い!!お前のためならいつだって空けといてやる。」

「ははは。相変わらず、壕にぃは面白いね?」

「「「離れんか!!ワレェ!!!」」」


その後、女らから蹴りやら殴られたりやらされたのも言うまでも無いだろう。


「小葉は、純情な娘を嫁にするんたい!今からタマに汚されたらたまったもんじゃなか!」

「そうたいそうたい!ケダモノがコノハに近づくことも許さんねい!」

「そーよ!コノハにはうちがいるんさかいな!!」

「え。いや、沙紀・・・。別にそんな嘘つかなくても。」

「嘘や無い!!コノハがずぅっと一人ならうちが嫁になるさかいな!」

「・・・・・。」

「なんねい!なんで無言になるんねい。」

「多分、コノハは未来を想像して落胆してしまったんだ。」


この際、壕のことはスルーすることにしたらしい。壕自身もボロボロになって倒れている。

どうやら、言い返す気力も残っていないらしい。

それにしてもっとコノハはちらりと椿の旦那を見た。

白海は言ってしまったのだ。コノハが無言になった理由を・・・。

それを聞いた沙紀は、ドンドン顔を赤くしている・・マジ切れまであとちょっとだ。


「確かになぁ~、さき嬢を嫁にしたら小葉は尻に敷かれるなぁ~。」

「そうさなそうさな。」


(あぁ、薄野や菅野までいわなくてもいいじゃないか!!)


「こ、コノハ・・。うちそこまでひどかないよなぁ?」

「え、あ、うん。」

「そうよな?」

「うん・・・。でも、沙紀。僕はね、沙紀は他の人と一緒になってほしいと思っているんだ。」

「・・・。なんでね。」

「だって、いつ会えるかも分からないやつよりも、ずっと傍にいてくれる人のほうがいいじゃないか。」

「・・・コノハは、一座にもう戻ってこんのか?」

「戻りたくとも戻れないよ。それにね、僕なんかには沙希がもったいないよ。」

「馬鹿ちぃ。それはうちの言葉や。」

「はい?」

「本当はうちにはコノハがもったいないんやて知ってはるよ?じゃけんど、待っているのは自由やろ?コノハが嫁連れてくるまで待ってはるからな!」

「・・うん。ありがとう。」

「ふふふ。礼はいらへんよ~」


沙紀はニコニコ笑いながら、薄野や菅野の腹を殴った。

さっきの言葉がムカついていたらしい。

 

そんなこんなで、わいわいとまた騒ぎ出していたときに椿にとってもっとも会いたくないやつが登場した。

しかもカッコつけて・・。

なぜだろう?彼の登場は誰も望んでいなかったらしい。

コノハは不思議と空気が変わるのを肌で感じ取った。


ッバン!!と大きな音を立てて戸から入ってきた人物はコノハに向かっていった。


「よぉ、楽しんでるか?」っと・・・。

あれ?長くない??しかも、変体いたくない?気のせいかなぁ~。

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