30話:腹の探り合い
お、お久しぶりでございます。
お気に入り登録が、増えていることに驚き。
お待たせしてしまった読者様が、今回のご対面シーンを楽しんで頂ければ光栄です!
と言いつつ、修羅場ですのであまり楽しくないと思います。
戦闘シーンは次回から入ります!
はぁーい!
私、イツキ。18歳の純粋なる乙女でーす!
え?何?キャラが違う??もぅ!気にしちゃダメよぅ!
うふふふ…今私ってば、敵の大将とご対面してまーす!赤朔が雑魚をヤってくれてるんだけど、時々「修羅場」とか聞こえてくるんだぁ~…えへ。
どういう意味なんだろうな。
ただ、見つめあっているだけなのに…例え、背後にバタフライが飛んでいても。
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そう、樹こと佐乃助は神とも呼ばれる白い神とにらめっこをしていた。にらめっこという優しい言葉の皮を剥ぐと殺気を飛ばし相手の腹の探り合いという言葉が出てくる。
どうやって、相手の懐に飛び込み一発かましてやろうかなんてことは考えてはいない。
ただ、何故この村に来たのか。この村に白き神にとっての大切な人が本当にいるのか。
そもそも、こんなにも残虐に村を壊滅状態までにする必要があったのか。サノはそれが知りたかった。
相手はサノに殺気を飛ばす。
しかし、動こうとはしない。
サノは相手を見据える。
しかし、うごけない。
相手は動こうとすれば動けるのに動かない。サノは動こうとしても動けない。
このことで、相手と自分の力の差が明らかに分かる。
でもサノは諦めない。
大切な人を守りたいから。
一度、赤朔が近づいて来て「修羅場」と言って離れて行ったときだって、それほど緊迫した状態なのだと思いたい。
また、赤朔の方は離れて行くといっても、ただ陰をバッサバッサと切り倒しているのだが、切り倒しても次から次へと出てくるから休む暇などない。
それなのに、こちらを心配する余裕があるということは、まだ元気なのだろうと思うことにした。
(私は弱い。赤朔よりも弱い。
そんなことは、当たり前の如く承知している。 それでも、女としてのど根性はある。 なにより、女の第六感が告げているのだ。コイツの夢を叶えるなと!)
「お前はいつも邪魔をする。」
「何を言っている?」
白き神は、儚くポツリと呟いた。
何もない状況なら見惚れるほどの美しさを感じさせるものだったが、相手は神であり、否、死神だ。儚さが美しいなんて、言ってられない。
「あちらでも、こちらでも…。こちらのお前は生まれてすぐに、消したはずなのに。何故こちらに来た?何故あちらで生きるだけにしない?欠落品が!」
サノは、白子さんの 言っている意味が分からなかった。分かる人間がいたらお会いしてみたいと思ったほどだ。
(あちら?こちら? もしかして、白子さんは私が異界の人だってことを知っている?そもそも、こちらの私は生まれた時に消されている。 全くもって意味がわからない。 意味が分からないばっかりだが、そんなことより…だ。)
「欠落品てのは、どういう意味さ。あんたの方がよっぽど欠落品なんじゃねぇの?」
欠落品という言葉は、頂けない。サノ自身に思い当たる節があるせいか、図星でもあるからか、言葉に棘を含んでしまっていた。
サノがそう言うと、白子さんはギロリと視線を向ける。そこには、儚さなんてモノではない。美しさすら、影になる。
「この人形が!感情の一部を無くしたお前に!言われとうないわ!!コノハはわたくしのもの!お前はサッサと傍の世界に戻り己の死を待つが良い!」
サノは白き神の言葉に思考が止まった。
(人形?この女は私を人形と宣ったのか?此奴が…此奴が、我が同胞を殺し、世界を分離するまで追い込み我を…私を彼の方から引き離した!許さない。許すわけにはいかない!)
「サノさん?っっツ!だ、大丈夫でスか?」
赤朔が、サノと白き神の雰囲気が変わったことに気づき心配したのだろう。
しかし、サノからの返事はなかった。
サノはというと、ただ白き神を見据えたまま腰に下げている鞘から刀を抜いて構えようとしていた。
「サノさん?」
赤朔は目を丸くした。
サノから返事が返ってこなかったからではない。
サノが刀を構えたからではない。
赤朔が驚いたのは…サノの容貌が変わったことに、気づいたからだった。
「許すわけにはいかない。」
サノは刃を白き神に向け、一歩踏み出した。
サノの様子が変?…理由があるんです!
次回は戦闘シーンを入れられるように頑張ります。
全ては妄想により構成されてます。