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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
アディラの戦い 3
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アディラの戦い 12

 アディラがそこまで言ったところで、テントの中から爆発音が鳴った。

 アディラとファラリスは、一緒になってテントの方を見た。

 中で何かが爆発したようで、今は黒焦げになって、ボロボロになり、無残な姿になった、テントがあった。

 それから、次々に爆発音が鳴った。


 ドォン! ドォン! ドォン!


 次々にテントが爆発を始めた。

「あの玉だ……」

 アディラは、今日の昼間の事を思い出した。

 天井からぶら下がっていたヒスイのような石で作られていた玉だ。あれは爆弾だったのだ。この爆発は、あの玉が爆発したものだったのだ。

「全員テントから出ろ! ぶら下げられている玉が爆発をするぞ!」

 アディラはそう叫ぶ。いくらか、テントの中から這い出してきた兵士がいるが、その数は微々たるものだ。

「全員、テントから出ろ! 全員、テントから出ろ!」

 ファラリスは、必死になって、大声でほかの兵士たちに声をかける。

 この時間である。もう睡眠を取っている者ばかりであろう。声をかけただけで、眠りから目覚める事ができない者も多いだろう。

 次々に爆発をするテントを眺めながら、アディラとファラリスの二人は、懸命に声をかけ続けた。


 次の日の朝、この隊の幹部たちが司令部のテントに集まって作戦会議を始めた。

「兵士は、進軍をし始めた時と比べて、五割が減っています。通常の軍隊なら、三割減れば、『壊滅』と判断されます」

 すでに、この隊は壊滅をしている。そう言って、隊長の事を睨んだ幹部の一人。

 自分の事を刺すような視線で見る彼に合わせて、この場にいる幹部たちは、そろって、刺すような視線を送ってきた。

「このような強行軍を行う理由は何なのか! 自身の保身しか考えていないのならば、いずれ誰かが、行動を起こしますぞ!」

 隊長はそれを聞いて顔を伏せた。

 誰かが隊長の背中を撃つ事を暗に言った幹部の人間に、何も返す事はできなかった。

「戦場における、死因の二割は、部下に殺されたものだからな」

 震えた声で言う隊長。

 もう、撤退をするしかない状況。だが、撤退はできない。自分とファラリスが、投獄される事になるからだ。

「それについて、一つ提案があります!」

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