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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
アディラの戦い 3
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アディラの戦い 11

「ワンペア……」

 ファラリスはそう言ってトランプを出した。

「ぶただ……」

 そう言い、アディラはコインをファラリスに向けて投げた。それをキャッチしたファラリスは、ニヤリと笑う。

 アディラは、それに、苛立ちを感じながらも、次のカードを取った。

「父も不安なのだ」

 いきなり、そう切り出してきたファラリス。

「父だって、今の状況が悪いのくらい分かっている。だが、司令官自身が不安な顔をするわけにはいかないだろう?」

 ファラリスは言いながらカードを引く。

「本当の事を言うと、撤退だって考えているんだ」

 ファラリスは言う。それは、自分が本国で戦犯になるのを覚悟しているという意味でもあるのだ。

「そんなのはダメだ!」

 ファラリスは言うが、アディラには、そんな事は受け入れられる事ではない。

「炊事兵だ! あいつを倒せば敵の軍は弱っていくだろう!」

 アディラは、この状況は、炊事兵の力であると思っている。炊事兵がいるから、こんな作戦を立てれたのだ。炊事兵さえ倒せばいい。アディラはそう考えているのだ。

「炊事兵の力は大きいとは思う。だが、そいつさえ倒せば戦局がひっくり返るほどの事ではないと思うが……」

 ファラリスはそう言うが、兵站のレベルから負けているのだ。それを最低でも五分五分に持っていく事ができるのかもしれない。

「外に出よう……」

 そう言うファラリス。アディラもそれに合わせた。

 空を見上げると、いくつもの星が見える。星の光だけで、足元が照らされているくらいだ。

「私は投獄をされてもいい。騎士の家に生まれた者の運命だと思っている」

「そんな……」

 ファラリスの言葉に、アディラは呻いた。だが、言葉を繋げる事はできない。何と言っていいのか分からないのだ。

「これは、最後のチャンスだったんだ。、駐屯地を占拠しても、何も手に入れられないのなら、負けと同じだ。戦利品もなく、敵の罠にはまんまとはまってしまった」

「そんなので納得できるか! まだ、足掻ききっていない! やれる事はまだ残されている!」

 そうアディラは言う。

「どうせ捨てるつもりの命なら、俺にその命を預けろ!」

 ファラリスの肩を掴んだアディラは言う。

「何を足掻けというのだ?」

 ファラリスの質問に、アディラは言う

「それは……」

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