表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
ラディンとフルータの戦場 3
87/115

ラディンとフルータの戦場 17

 それから、長いあいだにらみ合いを続いた。

 隊長からの攻撃を待つフルータに、うかつに飛び込む事のできない隊長。フルータはジリジリと距離を詰めるが、隊長はその分下がる。

『誘われてるな……』

 そう考えるフルータ。『若い人間は、こらえ性が無いから、自分から突っ込んでくるだろう』とでも考えているのだろう。

『それなら……』

 そう考え、フルータは言った。

「これで終わりにしませんか? いつまでもにらめっこをしていても、しょうがないでしょう?」

 盾を下ろさずに言うフルータ。

 隊長は、この挑発に乗った。

「いまさらやめられるか!」

 そう言い、憤怒をした隊長が、剣を振りあげて来た。それを、外野から見ていたラディンが言う。

「あいつ……ああやって敵を挑発するのは、本当に得意だな……」

 自分も、あいつの言葉に振り回された。剣の才能で言えば、当然ラディンの方が上であるのに、ああやって挑発をしてくる。あいつの言葉はとにかく癇に障る。わざと、相手の琴線に触れる言葉を狙って言ってくる。

 この勝負、決まった。

 ラディンがそう考えると、その通りになった。

 サーファスの剣はフルータの盾を貫いた。だが、フルータの剣の先は、隊長の首元を捉えていた。

「ま……まいった……」

 そう言い、倒れる隊長。横になりながら隊長は肩で息をしている。

「私も衰えたな……いや、君が強かったのか……?」

 サーファスは言う。だが、フルータは首を横に振った。

「ボクの口の悪さのおかげで勝てたんです。実力は、隊長の方が上でした」

「あの挑発に乗ってしまったのがいけなかったな、確かに……」

 さっきまでの形相が嘘みたいに、穏やかな顔をした隊長。

「認めるしかないようだな……君は強い……」

 そう言う隊長。フルータは、その場に腰を下ろした。

「サリルは、純粋で世間知らずなところがある。サリルの事は、私がよくわかっている。あの子と上手くいかないことがあったら、私に言ってくれ」

 隊長が言う。だがフルータは喉から言葉がでかかった。

『隊長……あなたは自分の娘さんの事をよくわかっていませんよ……』

 あの腹黒いサリルが純粋で世間知らずだと……? フルータは、サリルの顔を思い出しながら、その場に寝転んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ