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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
ラディンとフルータの戦場 3
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ラディンとフルータの戦場 18

「敵襲が近いと思う?」

 サーファスは、フルータから聞いた言葉を反芻した。

「はい……実は敵の偵察と接触をしまして……」

「偵察が来ていたのか……注意をしないといけないな……」

 サーファスが言う。偵察が来ていたという事は、敵が動く可能性がある。そう考えたサーファスは顎に手を当てて考え出した。

「どうやら、敵は物資が不足をしているみたいです。敵の補給も少ないようで……」

「どうしてそれを知ったんだ?」

「その偵察から聞き出したんですよ」

 それが本当ならば、随分口の軽い偵察だ。嘘かもしれないと、思うサーファスだが、補給が足りないことは、サ-ファスだって知っていた

「確かに、報告によれば、敵の補給物資はどんどんと減っている……」

 敵の駐屯地には、物資が無い。だから、自分たちの駐屯地を襲って物資を手に入れるしかないのだ。

「それに、本国に逃げ帰れば、敗戦の責任を負って司令官は投獄をされる。相手が撤退をしていくという、甘い考えは、抱かないようにする方がいい」

 サーファスは言う。

「うちの偵察の報告では、敵の兵士は、奴隷よりも酷い生活をしているようだ」

 兵達の疲労は、ピークに達しているだろう。それでも、敵は攻勢に仕掛けていくしかない。必ずどこかで攻撃を仕掛けてくる。

 フルータは思う。敵は、時間が経てば経つほど弱っていく事になるのだから……

「それなら、できるだけ早く動きたいだろうね。今、攻め込んできてもおかしくない」

「その通りだ、周囲の監視を強化して、偵察の数も増やして敵に動きがあれば、すぐに分かるようにしてある」

 サーファスは言った。

『やはり、前線の隊長になるだけあるか……』と、考えたフルータは、すぐに言う。

「ボクらの考えつくような事は、すでに隊長が考えた後のようですね。さしでがましい事をしました」

 フルータがお辞儀をしながらそう言うと、サーファスは手を前に出した。

「私だって人の意見は欲しい。私も万能ではないからね」

 さしでがましいなどとは考えず、意見があるならどんどん言って欲しい。

 そう言うサーファス。フルータは、それを言われ、お辞儀をしながらサーファスを見上げた。

『この人はやっぱ、やりにくい人だな……』

 ここは、自慢をしてもいいところであるが、サーファスは、さらに意見が欲しいと言う。

 よくいる自己顕示欲の塊のような、頭がカチカチの人間とは違う。こういう人には、ゴマすりなどは逆効果だ。

『やっぱり、目に見えた戦果を上げないとならないか……』

 だからこそ、こういうタイプは、仕事にシビアである。目に見えるような活躍をしないと、評価をしてもらえない。

 そうなれば、フルータにとってはやりにくい限りだ。料理を作るだけでの仕事で、どう、目に見える戦果を上げねばならないのだろうか?

『これはラディン向けだな……』

 剣の腕は一流で、頭も切れるラディンにとっては、やり易い事だろう。そう思って、ラディンの事を見上げたフルータ。

 ラディンは、難しそうな顔をしていた。ラディンは、どういう作戦をとればいいか? を、考えていたのだ。

「戦うか? それとも逃げるか? ですね」

 ラディンはそう言う。フルータには、その意見は何も考えていない発言と思っていたが、サーファスは、それに頷いた。

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