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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
ラディンとフルータの戦場 3
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ラディンとフルータの戦場 16

「そして、君の顔を一度見ておきたかったんだ。フルータ君」

 そう言い、ラディンの前からフルータの前に歩いて行った。

「うちの娘が君にぞっこんなんだそうだね? うちの娘に何かしたのか?」

「私は何も……」

 こんな話をするために呼ばれたのか……フルータは、身を縮こませた。

「まあ、君をここに呼んだ理由は、他でもない」

 サーファスは、壁にかけられている剣を取った。

「好きな武器を使え。君の力を見させてもらう……」

 サーファスの言葉を聞き、フルータはたじろいだ。

『こういう事だったのか……』初対面から、サリルがいきなり自分にベタベタしてきた理由はこれだったのだ。

 厨房の中で、戦闘の訓練をしている人間なんて、フルータくらいしかいない。

 娘に近づく男には、父親が黙っていないという、典型的なパターンになる事をわかっていたのだ。

『これは戦うしかなさそうだ……』

 そう考え、フルータは近くから小さなナイフと大盾を取った。

「ファランクスか……そんな昔の武装で大丈夫か?」

 小さなナイフは逆手に持ち、盾から片目を出して、サーファス隊長の事を見る。

「この戦い方しかしらないもので」

 フルータはラディンの剣の稽古に、何度も付き合わされてきた。ラディンの鋭く早い武器に対抗をするには、この武装が一番適していたのだ。

 盾を、前に突き出したフルータ。それを見て笑った隊長。

「そんな戦い方しかできないのか?」

 そう言い隊長は、剣を下段に構えた。

『見える、この盾を貫こうをしている……』

 盾は、何でもガードをするような万能のものではない。剣でおもいっきっり突かれたら貫通をする。

『盾を剣で貫いて、叩き飛ばすつもりか……』

 そう考えたフルータは盾をあえて前に出した。

 隊長が剣を持って突っ込んでくる。それをよんでいたフルータは隊長の剣が盾を貫く前に、突きを流した。

 それを見て、隊長は顔を引き締めた。

 盾は、敵の攻撃を受け止めるためのものではなく、敵の攻撃を受け流すためのものだ。

 隊長の攻撃を流したフルータは、隊長の体に向けてナイフをさしこんだ。

 隊長はそれに気づき、後ろに下がった。

『さすがに、一発で勝ちをもらえないか……』

 盾を前に構えながら、フルータは隊長との距離を、少しづつつめていく。

隊長は剣を振り上げた。フルータは盾を上に構える。そうすると、隊長の攻撃はなぎに変わった。それに冷静に対処したフルータは、ナイフで攻撃と受け止める。

 そして、フルータは隊長に向けて盾を押し付けた。

 盾を押し付け、視界を奪ってナイフで敵をブスリと指すのは、ファランクスの基本的な戦法だ。

 また、隊長は下がった。フルータは冷静になって盾を隊長に向けて突き出す。

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