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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
ラディンの場合 4
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ラディンの場合 20

「では……これからだ。まずはこれをやってみよう」

 レクステは、自分の注文したアイスをスプーンですくい、ラディンの目の前に突き出してきた。

 ラディンは、何も考えずにレクステのスプーンのアイスを食べた。

『これ……アーンってやつ?』

 食べたあとになって、そう考えたラディン。レクステの事を見ると、ラディンから目をそらし、自分の目の前にあるアイスを、さっきのスプーンでつついていた。

「なんだ……恋人同士なら、普通の事なんだろう?」

 どうも、恥ずかしくてラディンと目を合わせる事ができないようである。、うつむいたままのレクステは、どんどんとアイスにスプーンを突き刺していく。

 アイスの形が見るからに崩れていき、すでにシャーベットのような状態になってしまっていた。

「ククク……」

 ラディンはこのおかしな光景を見て、思わず笑ってしまった。

「なんだ、笑うな! 一度やってみたかったんだ。……その……こういう事……」

「それに、恋人同士なら、やって当然の事だしな……」

 そう、レクステの言葉に答えるラディン。

「そうだな! これから、恋人同士のフリをするんだ。これくらいの事はやって当たり前だ!」

 そう強がって言い出すレクステにに、ラディンは笑いながら言った。

「これからよろしく。偽の恋人さん」


 その後、ふたりで一緒になって喫茶店から出ていった。

 二人共向かう先は同じ。王宮に戻って、明日のために寝る事である。今、空は星空になっていて、道行く酒場くらいしか、灯のともっている家屋はない。

 この道には、街灯なども設置されておらず、道を歩くのには、星の光のみを頼りにしている状況だ。

 隣を歩くレクステは、ラディンのすぐ隣について歩く。

 レクステはおもむろにラディンの手を握った。

「これも恋人のフリか?」

 ラディンがニヤリと笑いながら言う。その表情を見たレクステは、ラディンから目を外して言う。

「こんな事で、ニヤニヤするな」

 ラディンは、レクステの可愛い行動を見て、こみ上げる笑いを我慢することができなかった。

「そりゃないぜ。ハニー」

 ラディンが言う。

 レクステは、いきなり顔を赤らめて言った。

「ハニーと呼ぶな! こっ恥ずかしいだろうが!」

 そう言い、レクステはラディンに向けて抗議をするような様子で言った。

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