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退魔師、異世界に転生する  作者: るうと280
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第六話:いでよ!四聖、ちょいやりすぎ?

街の外へ一歩踏み出すと、そこにはどこまでも続く緑の草原と、深い森が広がってるよ、改めて別世界って実感するよ。


「よーし、この辺りなら広いし、人目もないから平気かな?」


昨日、おっちゃん(25歳以上はおっちゃんだよね)に高級なステーキを奢ってもらった。美味しかった。なんでもギルドにとって「とってもいいこと」があったらしいけど、詳細は教えてくれなかった。まあ、お肉が美味しかったからいいんだけどね!


さて、今の私はギルドの依頼で薬草採取に来ている。……のだけど、その前に確認したいことがあるんだよね。


「ゴン、周りに人はいない?」


「はっ。それがしの索敵に引っかかる気配はありません。安心してお呼び出しを」


「じゃあ、行くよ……。四聖召喚しせいしょうかん! 白虎、朱雀、青龍、玄武、来なさい!」


金剛杖を振り上げ、その石突を力強く地面に叩きつける。飾りなんて付いていない鉄の杖なのに、空間を震わせるような「シャラン……」という涼やかな音が響き渡る。


その瞬間、シュートいう感じで左腕の腕輪が熱を帯び、私の霊力が充実していく。

もしかしてこの腕輪って、周りの霊力を吸収するのかな?


そして、私の霊力が空間に収束していくと、目の前に空間を切り裂いて、巨大な四つの「穴」が現れた。

そこから、懐かしい気配と共に彼らが姿を現す。


前の世界では霊体に近い半透明の姿だったのに、はっきりとした実体を持って現れたのだ。しかも、めちゃくちゃデカい。


「ミズキ様、これは。いや、某が実体を持っていたので、予想はしていましたが」


「みんな……元気だった?大きくなったね」


『ガウ〜〜(主!)』

『ケキョウ〜(お久しぶりですわ)』

『フシュウルゥ(お呼びですか)』

『ホウ(主様……)』


「あはは、姿は少し……いや、かなり変わっちゃったけど、私だよ。……え? 前より可愛くなったって? 何それ、前は可愛くなかったみたいじゃん!」


思わず顔がにやけてしまう。みんなからの親愛の感情が、波のように押し寄せてくる。

白虎のふかふかの毛並み、朱雀の燃えるような羽根、青龍の硬い鱗、玄武の重厚な甲羅……。順番になでなでしてあげていると、本当に幸せな気分になる。


「またみんなに会えて嬉しいよ。でも……やっぱりみんな、前より大きくなったよね?」

白虎なんかは、もふもふ度が増しているよ〜、もふもふ


私がもふもふしていると、肩に乗ったゴンが鋭く声を上げた。


「ミズキ様、感動の再会中失礼いたしますが……」


「うん、わかってる。無粋な客が来たみたいね」


ドシンドシンと地響きを立てて、森の奥から巨体が現れた。腕が四本もある、禍々しい大きな熊――うわ、腕(前足?)が4本もあるよ。さすが異世界だ。


「いい機会だわ。みんな、この世界での私の初仕事、手伝ってくれる? ……(スケさんカクさん)やっておしまいさい!」


私が指を鳴らした、その刹那。


青龍が天から雷を落とし、白虎が風の刃で切り裂き、朱雀が浄化の蒼炎を吹きかけ、玄武が重力で押し潰した。


……いや、正確には「それら全部」が同時に起きた。


ドォォォォォォンッ!!!


爆風で私の銀髪が激しくなびく。

土煙が晴れたあとには、熊どころか、そこにあったはずの地面がクレーターのように抉れ、周囲の木々は消し炭になっていた。


「………………」


あまりの光景に、私は杖を握ったまま固まった。


「……ねぇゴン。これ、」


「ミズキ様……。如何にもですな……塵一つ残っておりませんな」


四聖たちは「やりましたよ!」と言わんばかりにドヤ顔で私を見つめている。

……どうやらこの世界での力加減、思っていた以上に難しいことになりそう。


ミズキちゃん(自分にちゃん付けはちょっと恥ずかしいけど、この見た目だし許して!)、異世界での前途は多難のようです。

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