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退魔師、異世界に転生する  作者: るうと280
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プロローグ:終焉と転生

雨の降りしきる夜、廃ビルの屋上。コンクリートの割れ目から立ち昇るどす黒い瘴気が、女子高生退魔師・みずきを包み込んでいた。

はぁ、はぁ……っ。しぶといわね、この化け物……!」


みずきは、破れた制服の袖で頬の血を拭った。目の前には、数多の目がうごめく異形の巨大妖魔。


「グガガ……人間、キサマ、ノ、命……喰ラウ……ッ!」


「食べたらお腹壊すわよ? 私、結構スパイシーなんだから!」


強がりを言いながら、みずきは懐から一束の符を取り出す。指先が微かに震えているのは、恐怖ではなく霊力の枯渇だ。


「これでも封印できないなんて、計算外もいいところ。……でも、これで終わりよ。アンタを野放しにしたら、明日の登校時間までに街が一つ消えちゃうもんね」


みずきは金剛杖を地面に突き立て、印を結ぶ。


「天にまします神々も、地を駆ける八百万の霊も、今だけは私に貸しなさい! ――秘術・九字連鎖封印陣!」


指先から放たれる青白い閃光。妖魔の絶叫が雨音をかき消す。


「ガ、アアア! ナン……ダ、コノ、力ハ……!?」


「私の全霊力、全部持っていきなさい! これで――チェックメイト!」


勝利を確信した瞬間だった。

封印の光が妖魔を飲み込む直前、空間がガラスが割れるような音を立てて歪み始める。


「えっ……? なに、これ。封印の術式が反転してる!? 嘘、嘘でしょ!?」


「……連レテ、行ク……貴様モ……異界ノ、底ヘ……!」


妖魔の黒い影が、みずきの足を掴む。地面にぽっかりと開いた「虚無の穴」。


「ちょっと待って! 話が違う……っ! まだ課題も終わってないし、アイスも食べて――」


叫びは、突如として断絶した。

視界が上下左右を失い、色彩が混ざり合い、みずきの意識は深い闇の底へと吸い込まれていった。

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