第18話 それはガラクタではありません。
「うーん、これは持っていても使えないからのぅ」
非常持ち出し袋から出した小型ラジオを手に、どうしたものかと首を傾げる。
「バーチャン、それは何だい?」
「簡単に言えば遠くの声を聞くもんじゃよ」
「遠くの声を?」
道具屋の目が輝く。
「でも、ここにはラジオ局もないし、ただのガラクタだねぇ」
「ガラクタ?
ヒャッキンの遺産が?」
「うんにゃ、これは通販じゃよ」
「ツーハン文明の?
それがガラクタだと…?」
道具屋が驚愕する。
「……欲しいかい?」
「そんな貴重な宝をいいのかい?」
「大袈裟だねぇ。
私が持っていても、それこそ宝の持ち腐れじゃし……。
持っておいき」
トミは気前よく小型ラジオを2個ほど、道具屋に譲った。
そのあと、それがどんな結果になるかも知らず──
ラジオから聞こえるのは、ザーッというノイズだけだった。
道具屋はそれを丁寧に分解して中の構造を調べていた。
「これは!
とんでもない魔道具だぞ!」
---
「バーチャン!
ツーハン文明はどんな文明だったんだい?」
「どんなって……買い物すると、商品が家まで届くもんじゃよ?」
「あの『ラジオ』はとんでもない宝だよ!」
道具屋は興奮しきっていた。
「そ、そうなのかい?
そりゃよかったよ」
その迫力に気圧されて、トミは目をぱちくりさせた。
---
後日──
道具屋が本気出して、トランシーバーもどきを開発していた。
その頃トミは
「まあ役に立ったならよかったかねぇ」
コテージでけんちん汁をかき回していた。
災害時は、スマホの電池を温存する為にも、ラジオがあると便利です。
私も小さいのを持ち歩いています。




