ばばん!ば!ばんばんばん♪
「はぁぁぁぁ…」
湯船にゆっくり浸かると…5歳児らしからぬ大きなため息が出た
いかんせんこの一週間が怒涛すぎたのだ…
確実に5歳児の範疇を超えてしまっていた。35歳の記憶が戻ったから良かったものの…
「ふぅ…これから…」
少なくとも家はあるし、かなりの備蓄がある事もわかった。
リフィと朱果が生活は助けてくれそうだし…家にいる限りはしばらくは何不自由無しに暮らせる…
「……」
さっきリフィに説明された聖獣の事とか…母さんの国の話とか…
「…帰ってくるんでしゅかね〜」
5歳児ってさ…普通両親が一晩帰ってこないだけでも死んじゃう生き物だよね?
両親求めて泣き叫んで、そのまま何も出来ずにチーンって…なるよね?
「二人とも…僕らの心配してくれてるでしゅかね…」
それともこの世界では普通の事なのかな?
この家はすごいけど…あまりに世俗と隔離されてて、常識がわからないよ
「情報が欲しいなぁ」
スマホとかあったらいいのに…
「リフィ、この辺に町とか村ってないの?」
ー肯定。コノ森ニハ集落的ナ物ハアリマセンー
「そっか…じゃあ備蓄とかの買い物ってどこでするの?」
ー森ヲ出タトコロニ『ヴァール』トイウ比較的大キナ都市ガアリマスー
大きな都市。
そこまで行ければ何かしらの情報と、ナナと僕が生きていけるだけの稼ぎができるかもしれない
バイトとか出来たらいいな〜5歳児を雇ってくれるかは知らないけど……
「ひとまず…戻って来れない両親の事はおいといて、『ヴァール』に行くことを目標に頑張るか…」
ー今ノナナ様ノ実力デハ到底到達出来マセンー
全否定!?
いやいや…目標に頑張るっていうのは今行く!ではないからさ…
ーナルホド。デハ『ヴァール』ニナナ様ガ無事行ケルヨウニ、チュートリアル頑張リマショウ!
おや?
リフィの(ヤバい)やる気スイッチを押してしまった気がするんだか!?




