表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
93/114

壁画

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

階段は。


長かった。



石。


石。


石。



どこまでも。


下へ続いている。



先頭はレオン。



その後ろに。


ドルガン。


ヴェルナ。


フィオ。


ルー。


アルス。



俺は。


最後。



頭の奥。


声。


今は。


何も言わない。



それが。


逆に怖かった。



冷たい風。


雪の匂い。



ここ。


地下のはずなのに。


何故か。


冬の山みたいだった。



やがて。


通路が終わる。



広い。



地下とは思えない。


巨大な空間。


天井は高く。


柱が並ぶ。



中央。


祭壇。



そして。


壁一面。


巨大な壁画。



全員が。


足を止めた。



ドルガンが。


思わず呟く。


「何だよ……」



白い外套。


長い髪。


剣。


雪。


そして。


男。



壁画の中央。


そいつが。


立っていた。



俺は。


息を呑む。



似てる。


違う。


俺が。


そいつに似ている。



ドルガンが。


俺を見る。


壁画を見る。


また。


俺を見る。


「おい」


「マジかよ……」



フィオも。


声を失っていた。



ルーの笑顔も。


消えている。



ヴェルナが。


珍しく。


言葉を失っていた。



レオンだけが。


じっと。


壁画を見ている。



俺は。


近づく。



男の顔。


優しそうだった。


少しだけ。


困ったように笑っている。



知らない。


知らない顔。



なのに。


何故か。


泣きそうになった。



何だこれ。


本当に。


何なんだ。



頭の奥。


声。


今度は。


はっきり。


聞こえた。



『久しぶり』



「っ!」



思わず振り返る。


誰もいない。



レオンが眉をひそめる。


「どうした」



「今」



言いかけて。


止まる。



言えるわけない。



また。


声。


優しい。


懐かしい。



『帰ってきたね』



俺は。


壁画を見る。



男も。


笑っていた。



『待ってた』



「誰だ」


気づけば。


そう呟いていた。



頭の奥。


少しだけ。


笑う気配。



『ひどいな』


『忘れたの?』



知らない。


知らねぇよ。



俺は。


お前を知らない。



壁画の下。


文字。


古い。


読めないはず。



なのに。


読める。



口が。


勝手に動く。



「シュトック――」



全員が。


俺を見る。



俺も。


止まる。



嫌な汗。



文字は。


まだ続いている。



読める。



読めるのに。


読みたくない。



頭の奥。


声。


少し寂しそうに。



『そこまでか』



その瞬間。



頭が。


割れるみたいに痛んだ。



白い旗。


雪。


鐘。


泣いている女。


笑う男。



誰かが。


名前を呼んだ。



聞き取れない。



なのに。


胸の奥が。


強く。


締めつけられる。



知らない。


知らないはずだ。



それでも。


その声を。


聞いてはいけない気がした。



「やめろ!!」


叫んだ。



世界が。


揺れる。



フィオが叫ぶ。


「エイゼン君!」



レオンが。


駆け寄る。


ドルガンも。


ヴェルナも。



皆の声が。


遠い。



壁画の男だけが。


ずっと。


俺を見ていた。



困ったように。


優しく。


笑って。



『またね』



意識が。


落ちた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


・ブックマーク

・評価(☆☆☆☆☆)

・感想


などいただけるととても励みになります!


今後も更新していくので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ