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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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王女

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

部屋の空気が、止まっていた。



「シュトック、だ」



白い少女が、じっと俺を見る。



プラチナブロンドの髪。


透き通るみたいな肌。


人形みたいに整った少女だった。



その瞳からは、妙に目を離せなかった。



「……フィナ様」


レオンが、小さく眉を寄せる。



フィナ。


つまり。


第二王女。



少女――フィナが、ゆっくりこっちへ歩いてくる。


足音が小さい。


なのに。


なぜか、部屋中の視線が集まっていた。


ガルド総司令官ですら、黙って見ている。



フィナが、俺の目の前で止まる。



じっ。


近い。



「……えっと」


何言えばいいんだこれ。



フィナが、小さく首を傾げる。


「シュトック」



また言った。



その瞬間。


後ろから、冷たい声が飛ぶ。



「フィナ」



第一王女セレーナだった。


鋭い視線。



でも。


フィナは全然気にしていない。



「だって、シュトックだもの」



意味が分からない。



「おいレオン、どういう――」



「私にも分からん」


即答だった。


珍しく本気で困っている顔をしている。



その時だった。



フィナが、そっと俺の服を掴んだ。


小さな手。



「……まだ、痛い?」


真っ直ぐな目だった。



一瞬。


言葉が詰まる。



「いや、まあ……ちょっとは」


そう答える。



フィナが、少しだけ安心したみたいに笑う。


その笑顔が、妙に可愛かった。



ミオが、後ろで「うわぁ……」って顔をしている。


セレーナの目が細くなる。



なんで空気悪くなってんだ。



その時だった。



ドンッ!!



突然。


巨大な音が部屋へ響いた。



「がっはっはっは!!」



ローグ将軍だった。


豪快に笑いながら、こっちを見ている。



「お前、王女殿下に気に入られたなァ!!」



「いや、意味分かんねえですって!」



「分からんままでいい!」


「若ぇな!!」



笑い声がでかい。


空気が揺れる。



でも。


その豪快さのおかげで、張り詰めていた空気が少し崩れた。



ケッヒルが、小さく溜息を吐く。


「叔父上、話が進みません」



「硬ぇんだよお前は!」


ローグが笑う。



その横で。


ガルド総司令官が、静かに口を開いた。



「……エイゼンシュタイン」



部屋の空気が変わる。



自然と背筋が伸びた。



「はい」



ガルドの目が、真っ直ぐこっちを見る。



「お前たちは、第二城郭区を守り抜いた」


低い声だった。



一言一言がめちゃくちゃ重い。



「本来なら、王都は落ちていた」



誰も喋らない。



「ヴァルクレインは、お前たちの働きを正式に認める」



胸が、熱くなる。



グリード。


リシェル。


レオン。



みんなの顔が浮かぶ。



死にかけながら。


守った。


あそこを。



ガルドが続ける。



「よって」


「守備隊選抜組を、本軍所属準剣士として迎える」



息が止まる。



準剣士。



それって――。



「正式採用ってことだよ」


ミオが小声で囁く。



頭が真っ白になる。



俺たちが?


本軍?



その時。


ガルドの声が、さらに低くなった。



「……だが」



空気が冷える。



「これは褒賞だけではない」


ガルドの目が、細くなる。



「白甲冑について」


「王国は、調査を開始する」



ぞくりとした。



「そして、お前たちには」


「その任に加わってもらう」



傷の痛みを一瞬忘れる。



次の瞬間。


レオンの目が、わずかに動いた。



……知ってたのか?



ガルドが、静かに言う。



「これは、戦争では終わらん」


「国家の問題だ」



遠くで。


重い角笛が鳴った。



ボオォォォ――。



ヴァルクレインが。


動き始めていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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