目覚め
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柔らかい光だった。
重い瞼を開く。
白い。
ぼやけた天井が見える。
……どこだ。
身体を動かそうとして。
脇腹に激痛が走った。
「っ……!」
息が漏れる。
その瞬間。
小さな手が、ぎゅっと強くなる。
視線を落とす。
ベッドの横。
リシェルがいた。
俺の手を握ったまま。
突っ伏して眠っている。
金色の髪が、乱れていた。
……ずっと、そばにいたのか。
ぼんやりした頭で考える。
その時。
リシェルの肩が、ぴくりと動いた。
ゆっくり顔を上げる。
赤い目。
泣いた跡。
数秒。
俺を見つめて。
固まった。
「……シュトック?」
かすれた声だった。
「あー……」
喉が痛い。
上手く声が出ない。
でも。
生きてる。
それだけは分かった。
次の瞬間。
リシェルが、勢いよく抱きついてきた。
「シュトック……っ!!」
「ぐっ――!!」
脇腹に激痛。
「い、痛てててて!!」
「――っ!?」
リシェルが飛び起きる。
「あ、ご、ごめんなさい!!」
「ご、ごめんなさいぃ!!」
半泣きだった。
思わず、吹き出しそうになる。
……なんだよ、それ。
その時だった。
部屋の扉が開く。
「起きたか」
低い声。
レオンだった。
いつもの綺麗な顔。
でも。
少しだけ、疲れて見えた。
「……よう」
声を出す。
レオンが、静かに近づいてくる。
「三日だ」
「お前、三日寝ていたぞ」
「……三日?」
頭が追いつかない。
その時。
ようやく思い出す。
白甲冑。
黒甲冑。
角笛。
そして。
最後の、地鳴り。
身体が強張る。
「……戦いは」
レオンが、少しだけ目を伏せた。
「終わった」
短い言葉だった。
「本軍が間に合った」
「それだけだ」
……それだけ、じゃない顔だった。
「白甲冑は?」
沈黙。
レオンの目が細くなる。
「……消えた」
「は?」
「確かに、倒れていた」
「だが、何も残っていない」
空気が冷える。
「血すら、ほとんどな」
ぞくりとした。
夢じゃない。
あれは、本物だった。
その時。
窓の外から、重い角笛が響く。
ボオォォォ――。
低い。
腹に響く音。
レオンが窓の外を見る。
「本軍の再編が始まる」
「ケッヒル隊長も、元の隊へ戻る」
その言葉に。
胸の奥が、少しだけ熱くなった。
戦いは、終わっていない。
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