表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/52

黒き鎧

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

空気が、変わった。



門の奥。



暗い回廊。




そこに立つ黒い甲冑だけが、動いていない。



白甲冑たちとは違う。



重い。



静かすぎる。



まるで。



そこだけ、夜が立っているみたいだった。




「……なんだ、あれ」



誰かが呟く。



返事はない。




白甲冑たちが、左右へ開く。



道を作るみたいに。



黒甲冑が、一歩出た。



ゴン。



石畳が鳴る。



たった一歩なのに。



空気が沈む。




「下がれ」


ケッヒル隊長の声だった。


低い。


短い。



だが。



兵たちは即座に動いた。



隊長の横顔が見える。



短く刈り込まれた灰銀の髪。


頬を走る古い傷。



その目だけが、黒甲冑を捉えていた。



知っている目だった。



「隊長……?」


思わず漏れる。



その瞬間。



シンが前へ出た。



黒外套が止めるより速い。



ギィンッ――!!



火花が散る。



速い。



シンの剣が、黒甲冑の首元へ走る。



だが。



止まった。



黒甲冑の片手。



それだけで。



剣が止められている。




「……は?」


グリードの声が漏れる。



シンの目が細くなる。



次の瞬間。



黒甲冑の腕が動いた。



ドォンッ――!!



衝撃。



シンの身体が吹き飛ぶ。



石畳を滑る。



「シン!!」


思わず叫ぶ。




だが。



シンは止まらない。



地面を蹴る。



再び踏み込む。



今度は低い。



足を狙う。



速い。



黒甲冑の槍が落ちる。



ギィンッ!!



火花。



だが。



シンは止めない。



連撃。



連撃。



さらに連撃。



初めて。



黒甲冑が半歩下がる。



「おお……」



兵たちの顔が変わる。



シンが押している。




だが。



違う。



押しているのに。



黒甲冑の呼吸が、乱れていない。



汗もない。



まるで。



全部、見えているみたいに。



「……読まれてる?」



背筋が冷える。




その時。



ケッヒル隊長が動いた。



静かだった。



一歩。



そのまま、シンの横へ入る。



ギィンッ――!!



黒甲冑の槍を受け流す。



流れる。



綺麗すぎる。



無駄が、一つもない。



「下がれ、シン」


低い声。



シンは舌打ちしながらも下がる。




隊長が前へ出る。



兵たちの空気が変わる。



ざわめきが、消えた。



全員が、隊長の一撃を待った。



黒甲冑が槍を構える。



隊長が剣を下げる。



静かだった。



次の瞬間。



――消えた。



ギィンッッッ――!!



爆ぜるような火花。



見えなかった。



今の。



黒甲冑の身体が、初めて大きく揺れる。



兵士たちが息を呑む。



隊長の外套が揺れる。



「……まだ、足りんな」



初めて。


ケッヒル隊長が、笑った。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


・ブックマーク

・評価(☆☆☆☆☆)

・感想


などいただけるととても励みになります!


今後も更新していくので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ