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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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粉砕

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです

「壊せばいいんだろ」



次の瞬間。



地面が、鳴った。



石畳が沈む。



カイゼルの踏み込みだった。



巨躯が、一直線に走る。



速い。



あり得ないほど。



敵兵の目が見開かれる。



黒装束が二人、前へ出る。



迎え撃つ構え。



だが。



遅い。



ブォンッ――!!



大剣が振り抜かれた。



風圧だけで、一人が吹き飛ぶ。



刃の軌道にいたもう一人は、盾ごと壁へ叩きつけられた。



止まらない。



カイゼルは、そのまま敵列へ突っ込む。



ドォンッ!!



中央が弾けた。



人が舞う。


槍が折れる。


石片が飛ぶ。



敵の隊列、その真ん中だけが消えていた。



「……うそだろ」


兵士の声が漏れる。



ぽっかり開いた突破口。



門の奥へ続く、一直線の道だった。



ケッヒル隊長が即座に剣を上げる。



「中央、進め!」


声が響く。



兵たちの目に火が戻る。



「おおおおお!!」



盾列が走る。



槍列が雪崩れ込む。



崩れた敵中央へ、一気に食い込んだ。



グリードが笑う。


「最高じゃねえか!!」



大剣を振り下ろす。



倒れかけた敵兵が、まとめて崩れる。



レオンの声が飛ぶ。


「左列、中央へ寄せろ!」


「右列、回り込め!」



戦場が、一つの生き物みたいに動き出す。





右列。



ルー・シャウが駆けた。



敵兵の肩を踏み台に、さらに奥へ跳ぶ。



「遅いわね」



刃が閃く。



二人倒れる。




その横で、フィオの双剣が踊る。



槍の穂先だけが、次々と宙を舞った。



「力任せは、美しくありません」



笑ったまま、敵を転ばせる。



右列が前へ伸びる。





左列。



「エイゼン!」


レオンが叫ぶ。


「中央へ繋げ!」



「また無茶言う!」



走る。



でも。



見える。



敵の流れ。


兵の隙間。


通せる道。



踏み込む。



刃を流す。



ズラす。



「――フィネア!!」



ザンッ――!!



敵の体勢が崩れる。



その隙へ、兵が滑り込む。



左列と中央が繋がった。



「通った!!」


兵たちの声が上がる。



胸が熱い。



俺の剣で、戦場が動いた。





中央。



ギィンッ――!!



シンと黒外套。



まだ決着は遠い。



だが。



黒外套の視線が、初めて揺れていた。



何度も、カイゼルを見る。



余裕が消えている。



シンが踏み込む。



速い。



連撃。



黒外套が受け切れず、半歩下がる。



「……ちっ」


初めて舌打ちした。


思わず笑う。





リシェルは走る。



倒れた兵へ。


傷ついた兵へ。



光が広がる。



「まだ立てます!」


兵士たちが立ち上がる。



槍を握り直す。



戦場に、声が戻る。





だが。



門の奥。



さらに奥の暗がりから。



重い足音が響いた。



一つ。



また一つ。



黒装束ではない。



白い甲冑。



長槍。



乱れのない歩幅。



一人。


二人。


五人。



十――



空気が変わる。



レオンの顔色が変わる。


「……近衛精鋭」



グリードが笑みを消す。



ケッヒル隊長が剣を上げる。



シンが構える。



カイゼルだけが、面倒そうに頭を掻いた。



「……まだいるのかよ」

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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