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貧民出身の俺、王立剣術院でただ“素振り”してただけなのに最強の剣士になっていた~姉妹を救うため成り上がる~  作者: シラセユウ


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選ばれた訓練

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

「今日からお前は、通常の訓練には戻らん」


は?


朝一で言われた一言がそれだった。


「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ」


「待たん」


即答。


ケッヒル隊長、相変わらず話通じねえなこの人。


ここは王立剣術院の裏手、一般見習いが絶対に来ない区域。


つまり――


めちゃくちゃ面倒なことになってる。


「お前には“基礎”は必要ない」


「いやいや、必要でしょ普通に」


「必要ない」


二度目の即答。


なんなんだよほんと。


「その代わり、“型”を自覚させる」


「型って……」


昨日言われたやつか。


正直、まだ全然ピンと来てない。


「振れ」


またかよ。


「……はいはい」


適当に棒を構える。


で、振る。


スッ――


……ああ、これだ。


昨日と同じ感覚。


妙に通る。


無駄がない。


自分でやってるくせに、自分の動きじゃないみたいだ。


「止めろ」


ピタッと止められる。


「今の感覚、言葉にしてみろ」


「え? 無理っす」


「無理でもやれ」


うわ、めんどくせえ。


「えーと……勝手に動く感じ? あと、なんか無駄がないっていうか」


「曖昧だな」


「いや、そんなこと言われても――」


「それでいい」


……は?


「それがお前の剣だ」


いや、雑すぎるだろ。


「だが」


隊長が一歩下がる。


「そのままでは通用しない」


「え?」


「実戦ではな」


その瞬間。


――ヒュッ


風が鳴った。


「っ!?」


気づいたときには、目の前に“剣”があった。


木剣。


でも、さっきまでの訓練用とは違う。


明らかに“速い”。


「反応しろ」


無茶言うな!!


咄嗟に棒を振る。


カンッ!!


弾いた。


……え?


今、弾いた?


「遅い」


間髪入れず、二撃目。


「うおっ!?」


なんとか受ける。


ギリギリだ。


「ほう」


隊長の目が、わずかに細くなる。


「今のは悪くない」


いやいやいや、こっちは死にかけなんだけど!?


「だが――」


三撃目。


さっきより速い。


「ぐっ……!」


受けきれない。


体勢が崩れる。


やば――


「そこまでだ」


ピタッと止まる剣。


首元、数センチ。


……マジで死ぬかと思った。


「どうだ」


「どうだじゃないっすよ!! 殺す気ですか!?」


「その程度で死ぬなら、どのみち剣士にはなれん」


正論っぽいこと言ってんじゃねえよ!!


「今のでわかっただろう」


隊長が言う。


「お前の剣は“完成している”が、“戦えない”」


「……どういう意味っすか」


「美しいだけだ」


……ああ。


なんとなく、わかる。


「飾りってことですか」


「そうだ」


即答。


くっそ。


ちょっとムカつくな。


「なら――」


隊長が構える。


「戦える剣にしてやる」


うわ、来たよ。


完全にやばいやつ。


「安心しろ」


全然安心できない声で言うな。


「死ぬほど鍛えるだけだ」


「いやそれ全然安心じゃ――」


「始めるぞ」


終わった。


俺の楽な生活、完全終了のお知らせだ。


……でも。


姉ちゃんと妹のこと、思い出す。


「……はぁ」


しょうがねえ。


やるしかねえか。


ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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