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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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ほんの一瞬だけ

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

「……はぁ」



腕が重い。


何回振ったかわからない。


崩す。


雑に振る。


また崩れる。



……できねえ。



「おい、止まるな」


ケッヒル隊長。



「やってますよ」



「口が動いている」


うるせえな。



もう一回。


ガンッ――


ズレる。


弱い。


遅い。



「……クソ」



思わず吐き捨てる。


これ、何が正解なんだよ。



「考えるな」



「考えないと無理でしょ」



「だから崩れない」



……はいはい。


その理屈はもう聞いた。


でもな。


考えないと、何もできねえだろ。



そのとき。


ふと。


頭に浮かぶ。



――“壊せる人だけが変われる”



「……あーもう」



ほんと余計なこと言いやがって。


でも。



「……ちょっとだけ」



力を抜く。


ちゃんと振らなくていい。


綺麗じゃなくていい。


当たらなくてもいい。



――崩す。



振る。


スッ――



……あ?



さっきより。


軽い。



「もう一回」



ガンッ――


ズレる。



でも。


「……なんか違う」



手応えがある。


弱いけど。


今までと違う。



「……おい」


グリード。


「それ、さっきよりマシじゃねえか?」



「マシってなんだよ」



「なんつーか、動いてる」



動いてる?



「前は固かった」


「今は、なんか……気持ち悪い」



褒めてんのかそれ。



でも。


「……まあ、そんな感じっす」



自分でもそう思う。



「来い」


レオン。



またかよ。



「今の状態でやる」



「いや無理っす」



「やる」



はい強制。



「軽くでいい」



それ、絶対軽くないやつだろ。



「来るぞ」



速い。


相変わらず。



でも。


――見える。



問題は。


動けるかどうか。



来る。


右。



「っ……!」



スッ――


避ける。


ギリギリ。



「……!」


レオンの目が一瞬動く。



そのまま。


振る。



ガンッ!!


当たった。



浅いけど。


確かに当たった。



「……今の」


思わず呟く。



「もう一度だ」



やめろって。



でも。


もう一回。



来る。


今度は左。



「……っ!」



スッ――


避ける。



振る。


ガンッ!!



今度は――


止められる。



「甘い」


レオンの声。



弾かれる。


体勢が崩れる。


ドンッ!!


地面。



「……っは」


息が漏れる。



でも。


さっきとは違う。



「……今の」


もう一回、呟く。



「一瞬だったな」


レオン。



「だが」


少しだけ、間を置く。


「悪くない」



……珍しいな。



「だろ?」


グリードが笑う。



「動いてた」



「……まあ」



否定はしない。


したくない。



「だが続かない」


レオン。


「それが今のお前だ」



はいはい。


わかってますよ。



「……でも」



立ち上がる。



さっきの感覚。


消えてない。


どこかにある。



「……いける気はする」


ぽつりと出る。



ケッヒル隊長が、少しだけ笑った。


「それでいい」


「今はな」



……今は、ね。


その言い方ほんとやめてほしい。



でも。


さっきより。


少しだけ。



「……面白くなってきた」



棒を構える。


もう一回。



今度は。


ほんの少しだけ。


“ズラす”ことを意識して。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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今後も更新していくので、よろしくお願いします!

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