1部 エンディング
様々な憶測がSNSを通じて国民の多くに広がった。
司法の上層部も軒並み逮捕されて口座情報を着きつけられると想定よりも早く落ちた。
しかし、警察庁長官の止々呂美修也と次長の島本蓮司は
『鈴木翔の次に今回の騒動の背景に詳しい須藤朋美が逃げている以上は巨大海外組織の乗っ取りは止まっていない』
と判断し警察法人捜査立会機構を存続させ、東京都のみならず全国に展開することを発表した。
これまで通りに捜査立会機構の上に他組織はなく何処からも抑圧されることのない捜査機関であった。
大きな一歩を踏み出したのである。
動乱の夏休みが瞬く間に過ぎ去り9月に入って二学期が始まると最初の講義に出席していた天埜天加は隣にストンと座った浅見慎二に目を見開いた。
……本当にTPOないな……
連れ出されて講義室の外に出ると的場哲二と花畑友視が待っており友視は手を上げると
「天加、がんばってこいよ」
と笑みを見せ
「的場も頼むな」
と告げた。
哲二はそれに
「おお、任せておけ」
と足を踏み出した。
天加も頷くと
「ああ」
と応えて校門のところで待機している桐谷世名の車へと向かった。
桐谷世名は二人が乗り込むと
「穴吹芹も安積啓達も財前理人も朝から事件に走り回っているらしい」
天埜氏が言っていた、と他人事のように「警察並みに休む暇なしだなぁ」と笑ってアクセルを踏んだ。
「あと、捜査立会人の天加君の指示通りに今回この事件に関わった全員の周辺を洗ってる。俺も、警察庁長官も関係なくな」
哲二は驚きながら
「本当に須藤朋美と繋がっている人間がいると思っているのか?」
と聞いた。
天加は感情の消えた視線を前に向け
「100%」
と短く答えた。
「見つけ出すのは難しいかもしれないけど絶対にいる」
哲二は肩を竦めて
「本当に怖いって!」
とパンッと背中を軽く叩いて
「まあ、だったらきっと見つかる」
と言い
「元々探偵は暇なしだから、俺は大丈夫だぜ」
と胸を張った。
天加はふっと笑みを浮かべて
「警察の第三の目。探偵の探偵……捜査が正しく行われているか」
と呟くと口角を上げて笑みを作った。
……見極めさせてもらう……
彼らを迎える正面の空には太陽が強く輝いていた。




