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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
捜査立会人 ~オブザーバー~

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全貌 13

 天加は金庫の前に冷静にキーボードを見つめた。

「この金庫を教える前にしたことは……自分たちにお茶をくれるだけだった。変な文字を書いた紙も何もなかった」


 だが、と天加は自分が貰ったペットボトルと哲二が貰ったペットボトルを見て笑みを浮かべた。


 天加は指先を伸ばすと

「暗号は4ケタの英数字」

 と入力キーに指を置いた。


 哲二は驚いて

「わかったのか?」

 と聞いた。


 天加は頷くと

「恐らくな」

 と告げた。


 そして『1680』と入れた。

 金庫は解除されその中には一通の通帳が入っていた。


『ワンスターツバンク』

 外資系の銀行である。


 世名は手袋をして手帳を見て目を見開いた。

「これは」


 それは定期的に巨額の入金があり、それが自動で30の口座へと振り落としされている。


 哲二は横から覗きながら

「まさか、これがアレじゃないよな」

 と呟いた。


 天加は困ったように笑うと

「アレしかないと思うけど……どうしてこんな真似を」

 と顔を顰めた。


 世名は通帳を手に

「本人のみぞ知るだな」

 とぼやいた。

「とにかく、これらが誰の口座に振り込まれているか調べさせる」


 天加は先ほど須藤朋美が逃げると考えた一瞬に過った何かが形になろうとしているのに目を細めた。


 自分たちの陣営の不利になる重大な内容である。それこそ瓦解する可能性すらある。

 それを警察側と繋がっている自分に渡したのだ。


「もしかして、いやでも……だけど……それに」


 恐らくはあの動画に映っていた面々だろう、と天加も世名も当たりをつけていた。


 世名は川原凛也という人物に連絡を入れると

「直ぐに警察庁へ取りに来てもらって財前を含めた三人に共有してもらいたい」

 と告げた。

「あと、天埜氏の弟の天加君も紹介しておく」


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