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お義父さんとお兄さんと部屋に3人。何も起きないはずがなく

怖兄

「ええええ! マジですか! 記憶がない?」


 池田さんは怖いお兄さんに秘密を告げた。


「シー! 静かに。本当じゃ」


怖兄

「マジかよ。孫七。俺のことも覚えてないのかよ」


 怖いお兄さんが私に向かって聞く。首を縦に振ってうなずく。怖いからあんまり発言したくない。ビビっちゃって声が出ない。この人めっちゃヤンキー顔で陽キャ感あってヒャッハー感ある。話し合わずにやりすごしたい。


怖兄

「あんなに愛し合った仲なのに」


「え?」


池田のおじさん

「え? 君らそういう仲だったの?」


 俄然彼と話し合いたくなった。詳しくどんな仲だったか教えてくだされ。


イケてるお兄さん

「しゃーない。ここはこの鬼武蔵が一肌脱ぎましょう」


 お兄さん。いやお兄様は実際に服を脱ぎだした。


「何が始まるんです?」


お兄様

「ここは一発この鬼武蔵の薙刀を孫七のケツにぶち込めばきっと自分が何者であったか思い出すでしょう。ほらケツ出せ、孫七」


「え?」


 話し合わずにいきなり実戦なの? いや私は漢たちが愛し合っているのを見るのが好きなんであってBLに挟まる女になりたいわけじゃなくて。このままだと挟まるどころか参加する流れになっちゃって。


「え、ワシの前でヤるの? 息子たちのムスコが戯れる姿をワシはこの目に焼き付けちゃうの?」


お兄様

「親父殿は鬼武蔵のイキざまをそこでとくと御覧ください。さあ、孫七。お前も俺の薙刀の反り具合を最高と言っておったろう」


 え、ちょ待って。私処女なんだけどこんなとこで義父監視のもと初めてを戦国武将に捧げるの? 

 あ、そうだ。これ夢なんだ。夢なんだからいいじゃん。夢の中で初体験くらいしてもいいじゃん。現実では絶対出来ないパターンで。うん、悪くないんじゃない? どうせ夢だし。





 いや絶対これ夢じゃないんだよなあ。

 もううすうす感じてきてる。この現実感。転生しちゃったやつだ。日本人の10人に1人は体験するという流行りのアレだ。

 だとしたらどうしよう? やっぱそういうのは愛し合う2人で、それでお互いの気持ちが大事で、心の準備が必要で、あと避妊もしっかり、ああ避妊はいらんかった。




「ほれ、お前も脱げ」


 ふんどし一丁になったお兄様が私の手を取る。


「きゃっ!」


 とっさに私は手を振りほどいた。


「「きゃっ?」」


 あ、まずい。女子の部分が出ちゃった。


「きゃって……。2人のときは乙女なの、孫七郎殿?」


 あ、いやそういう意味ではなく。


お兄様

「こりゃ本当に記憶がないんすね」


「どうする? 続ける? ワシは一向にかまわんけど。2人が本当に愛し合っていたのなら」


お兄様

「ははっ。冗談にござる」


 


 うっそなんかあああああああああああい! 


 BLを愚弄しおってえええ!


 許さんぞおおおおおお!


 お詫びにこの場で2人で始めろ!


 父と息子で始めろ!




「なんじゃ。嘘か。ちょっと期待したのに」



 期待しとったんかあああい!


 なら代わりに始めちゃってええ!



お兄様

「ここまでやってこの反応ということは本当に記憶がないんすね」


「一芝居打ってみたんじゃな。なかなか面白かった」


お兄様

「孫七もすまんかったな」


 ええんやで。

 怖かったけど嘘とわかって私も落ち着いた。

 もう大丈夫。安心。

池おじ

「え、ちょっと待って。一芝居打ってみたにしてはお主の薙刀臨戦態勢じゃない? ふんどしの上からでもわかるもん」

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