生死を分ける分岐点
4112日後に死ぬ私。
目覚めたら戦国だった。今日はかなり遅く起きた。もう日は高い。しばらく夜間の行動が多くなるからとのことで夜型に移行してるんだよね。
一夜明けただけなのになんか久しぶりに戻ってきた気がするよ。
さて今日することはひとつ。これから起こることを池田のおじさんや鬼武蔵さんに報告しよう。どう伝えればいいのかわからないけど。
2人に話したいことがあると言ったら万作君が呼んできてくれた。まず鬼武蔵さんが部屋に来た。
「ど、どうしたんだよ、大事な話があるって。なんか俺に言いたいことでもあるんかよ?」
「はい。とても大事なことです」
「なんだよ、いったい? 言っとくけど俺は別に男に興味なんてないんだからな。男色の趣味はないんだぞ、ほんとだぞ。お前はあくまで親友だぞ」
「なんで急に早口になってるんですか?」
「知らねえよ。なんかお前が余計な勘ぐりしてんじゃないかって」
「いえ今日はその件ではありあません。その件に関しては後日改めて詳しく聞く時間を取らせていただきたいのですが、その前にまずはお父上と鬼武蔵さんに聞いてほしいことがあるのです」
「あ、ああ、親父殿にも話したいことね。ああ、わかった。完全に理解した。そういうことか」
「なにがわかったんですか?」
「いやなにも。俺にだけ話したいことがあるのかと勘違いしただけだ。忘れろ」
ほんと鬼武蔵さんとだけ話したいことはありまくるのに今はそれどころじゃない。史実では明日のこの時間はこの人の首はもうないのだ。命あってのホモ種。ここで死なせるようなら腐女子じゃない。単なる女子だ。伊達に腐ってるわけではないということを示してみせる。
ドタドタと急いだ様子で池田さんが廊下を渡ってやってきた。高校生か大学生くらいの青年を連れている。
「孫七郎殿、とうとう記憶が戻られましたか!?」
「あ、いえ、孫七郎としての記憶は戻っておりません」
「なんだ。記憶が戻られたのかと。なんだ……。そっかあ……。もうそれがし帰ってもよろしいか?」
「いやまだなんの話もしてませんから! 戻らないで!」
明らかにがっかりしてる池田さんの服を掴んでを引き止める。
「なんかもう力が抜けてしもうて」池おじ
「待って! そ、そうだ! そちらの方はどなたなのですか?」
「ああ、こちら我が次男坊にござる。孫七郎殿のお側につくこともあろうかと連れてまいりました」
ああ、この人、長久手の合戦を調べてる時に出てきた池田の次男坊さんだ。名前はなんだっけ?
青年が無言で頭を下げたので私も青年の父親の腰にすがりながら頭を下げる。なんか間抜けな絵面だった。でも手を離して帰られては困るので。
「ではお話を聞かせてもらいましょうぞ」
「あ、聞いてくれるんですね。帰っちゃうのかと」
「冗談にござる。気落ちしたのは確かですが」
池田親子に、鬼武蔵さんに、私の4人は輪になって座る。そのほかに部屋には万作くん。
さてどう話せばいいものか。これは2人の生死に関わる重大は分岐点だ。
「なんですと!? そんなことが!?」
「いやまだ何も話してません」




