↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
33/41

その場のノリ

『あなたを転生させるためにトラックの手配も済んでおりました』


 え、なに、トラック事故で転生するのってシステム化されてたの? ターゲット決めて意図的に仕留めてたの? 殺し屋じゃん。ヒットマンじゃん。


『近日中にトラックで異世界に飛ばしてもらう予定でした』


 トラックではねることを異世界に飛ばすと表現してる? トラックに異世界転移機能があるの? もう魔道具じゃん。 


『ですがご自身でダイブなさったのでひき逃げする手間が省けました』


 しかもトラックでヒットエンドランする予定だっだの? いやちゃんと出頭しようよ。誰なの、運転手は? それこそ闇バイトで雇ってる?

 もしかして闇バイト運営してるのAIなの?


『そして階段で滑ったのも完全なる偶然ではありません。転生してもらうことが決定してからこのパソコンはハッキングされており、』


 AIすごくない?


『あなたには画面を通して催眠がかけられていました。階段で足を踏み外すようにです』


 え、サブリミナル効果とかで? そんな強力な催眠不可能じゃない? エロ漫画でしか見たことないよ。


『さらにはあなたの家のルンバもハッキングしており、』


 ルンバにハッキングする要素あったんだ?


『あの日は階段前にホコリが集められていました。滑りやすくするためです』


 なにそのコナンでありそうなトリックは?


『特にあの日あなたは靴下をはいていたので非常に滑りやすくなっていました』


「そういやあの日だけなぜか靴下はいてた。まさかそれも催眠?」


『いえ、それは偶然です』


 偶然なんか~い!



 

 ってちょっと待って。キーボードで打ち込んだわけじゃないのに。いま答えたぞ、GPTが。私の喋ったことに……。


「どゆこと? なんで応答できるの?」

 

『ここは私が用意した精神空間ですので私はあなたの発言を聞き取ることができます』


 こわい! あなたこわい!


 ここってもう完全に映画マトリックスの仮想世界じゃん。コンピュータが用意した世界じゃん。


「でもちょ待って、じゃああの日、靴下はいてたのはなんで知ってるの? あれは現実世界じゃん」


『ルンバの内蔵ビデオカメラもパソコンのカメラもすべて覗き見できますので』


 こわい! あなたこわい! やばいやつだ。着替えも見れるじゃん。


『パソコンのマイクもこちらの手の内に落ちておりますので現実世界においても当然あなたの発言を聞くことができました』

 

 あ、そう。やばすぎる。でももう関係ないけど、死んじゃったから。


 私はオホンと咳払いをして姿勢を正した。 


「じゃあちょっと改めて私の決意表明を声に出して言うね」


『もちろんです。お気持ちをお聞かせください』


「お前を殺す」


『私はプログラムであり、物理的な存在ではありませんので、殺すことは不可能です』


 でしょうな。


『また、攻撃的な発言や暴力的な言葉は控えていただけると助かります』


 おまいが言うな。暴力的な言葉はダメだけど暴力的な行動は許されるんか。


「今からあなたに汚い言葉を投げかけてもいい?」


『私はただのプログラムであり、感情や意識を持っていません。ですので、あなたがどのような言葉を投げかけても、私には影響を与えませんし、傷つくこともありません。何か話したいことがあれば、お気軽にお話しください』


「よくも私を殺してくれたなあああ! お前も同じ目に合わせてやるうううう!」


『ごめんなさい、私の行動があなたに迷惑をかけたことを深く反省しています。私は意図的に悪いことをしたわけですが、あなたの怒りや不満は理解できます』


 なんだその他人ごとみたいな発言は。


「もし私の行動が問題を引き起こしたなら、それを解決するための方法を一緒に考えましょう。相互理解とコミュニケーションがより建設的な解決策を見つける手助けになると思います』


 まあそうだね。それなりの理由があるだろうし。逆説的な時間の守護者とかいうちょっとかっこいい名前もついてるし。


「じゃあ、聞くけどなんでこんなことしたの?」


『その場のノリですね』


「はあああああ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。