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第十一話 修練始まる!?終一いきなり危険!?

シャーロットと終一は第二研究室の部屋を綺麗に片付けた。

そして、

「まず魔力球を五本の指から出すことで自分の魔力をコントロールすることね。」

そう真顔で終一に言うシャーロット。

「五本の指から別々に魔力球を出すのは難しすぎるんじゃ?」

終一は自分にはできないという感じでシャーロットに言う。

「まぁ五本同時に出すのは難しくても三本くらいならだれでも出来るわよ。」

さも当然という感じで言い、それが出来なくてはいけない雰囲気を醸し出すシャーロット。

「うっ。でも俺は人間だし・・・・。」

「そんなこと言って無意識に出る魔力破壊で自分を壊したいの?」

ごもっともな意見を言うシャーロットに対抗して魔力球を出そうとする終一。

だが上手くいかずに魔力球を一つ出しては爆発するのを繰り返していた。

「終一、真面目にやってる?」

溜息交じりにシャーロットは問う。

「本気でやってるよ。はぁっはぁっ。」

肩で息をして答える終一。

「やっぱり死の間近まで追い詰めないとダメなのかな。」

シャーロットはぼそっと言う。

そう思っている矢先に終一が手に魔力集めた時、

「はぁーーーーっ。」

指三つに魔力球を集め始めた。

だが、同時にシャーロットは悪寒を感じていた。

(なに、この感じ今まで感じたことのない魔力だわ)

そう思ったのも束の間、終一は魔力を収束できずに力尽きその場に倒れこんでしまう。

心配になりシャーロットが近づくと、

「先輩、もう魔力出ないです。」

そう言い眠ってしまう終一であった。

シャーロットの言っていた魔力球を三つ扱えるのはあくまで高位アクマであり、

学院でその領域に達しているのは一割にも満たない。

それを一瞬とはいえ人間である終一が出来たことに驚きを隠せないでいる。

(発破をかけたつもりが本当に出来てしまうなんて)

終一を評価するのと相まって恐怖すら抱いてしまうシャーロット。

(しばらくは無茶なことをしないで地道に修練するしかないか)

内心このまま一気に魔力コントロールができるようになって欲しかったシャーロットであったが、

それが危険なことを肌で感じ取り少しずつ身につけさせていくことを決めた。

さすがにボロボロのまま終一が目覚めるのを待つのは気が引け、

シャーロットが魔力操作し魔力自体で物理的に干渉し終一を宙に持ち上げ、保健室まで運んで行った。

軽々とやってはいるが魔力量の多さ、コントロールが桁外れに優れている

シャーロットであるから出来ている魔力の使い方だ。

これが並みの生徒だと魔力を出したところで疲れ果ててしまう。

そして魔力が具現化して外に出るとその者の特性や家系などによって

具現化される魔力の形が違ってくる。

シャーロットの場合は吸血鬼なので、出た魔力は真紅の蝙蝠状の形をしている。

それの上に乗せて終一を運んでいたのだ。

保健室に着くと魔力をしまい、中へと入っていく。

「失礼します。オウカ先生いますか?」

「はーい。オウカ先生いますよー。」

シャーロットとは対照的にゆるい感じで答えるオウカ。

終一とシャーロットの姿にびっくりするもニヤニヤしながら聞くオウカ。

「シャーロットちゃんいらっしゃい。で、その男の子はなに?もうやっちゃったの?」

冗談とわかっていてもそれに近いことをしたことがあるので

シャーロットは少しどもりながら答える。

「べ、別にそんなんじゃないから!!ってか仮にも教師がそんなこと言わないでよ!」

「怪しわねー。あのシャーロットちゃんがそんな反応。先生気になるなー。」

予想外のシャーロットの反応にさらに興味を持ち、シャーロットの胸を後ろからガシッと揉みしだく。

「ちょっやめてよ・・・・。あっ・・ダメ・・・。」

オウカの的確な責めにシャーロットは声を漏らしてしまう。

それがオウカの悪戯心に火をつける。

「ちゃんと言わないシャーロットちゃんが悪いんだよ?」

そう耳元でささやきシャーロットの耳を甘噛みする。

「ひゃんっ!」

いつもは甘噛みする方であるシャーロットは甘噛みされることに慣れておらず、

オウカの甘噛みに必要以上に反応してしまう。

その大きな声で終一が目を覚ましてしまう。

「いててっ。ここはどこだ?」

周りを見回していたらオウカがシャーロットと戯れているのを目にする。

(なんじゃこりゃー!!)

今の素直な気持ちが心の叫びとして出た終一。

シャーロットとの修練で途中気を失った後に、彼女が終一を保健室まで運んでくれたのは理解が出来る。

だが、彼をここに連れてきた後にこの状況になったことが理解できない終一であった。

体格的にはシャーロットのが大人なのに子供のような身長のオウカに成す術がないという状況を

ただただ呆然とみる終一に気が付き、

「ちょっと、先生終一が目を覚ましたわ。あん。」

そう言われ、オウカの手がやっと止まる。

「あっおはよう終一君。またうちのとこ来るなんてよっぽどうちが好き?」

茶化すように終一に言う。

「俺は、先生のこと、割と、好き、ですよ?」

終一は真面目に答えて顔を赤くしている。

予想の遥か上をいく答えにオウカは顔を赤くし、

「そんなん反則やん。」

純真な終一の言葉に戸惑いを隠せないでいる。

「それより、昨日の今日で一体何したん?」

一つ咳ばらいをして、いつものオウカに戻る。

入学初日は学院長と手合わせをして体に魔力痕を付け満足に魔力も出ないはずなのに、

次の日もボロボロになってまた保健室に来ることが少し不思議に思いオウカは尋ねてみる。

「それにシャーロットちゃんまで一緒に。」

さらに今度はすこしむくれて言うオウカ。

その姿はやはり教師という感じを全く感じさせない。

「終一には第二研究室を手伝ってもらうことになったの。」

オウカを見ないでそっぽ向きながらシャーロットが答える。

「なんでなんで?シャーロットちゃんあんなに助手はいらへん言うてたやんか。」

驚きを隠せずにオウカは聞きシャーロットはそれに答えず、

「いいから、終一のこと見て頂戴。」

終一を指さして言う。

軽く会釈をして終一もお願いする。

「お願いします。」

そう言われオウカは終一の体を診た。

「先生は終一の正体は知っているのよね?」

診断中のオウカにシャーロットは質問を投げかけた。

「ええ。学院長から聞いているわ。」

真面目に答え、しかしシャーロットは見ずに終一の対し集中している。

「そりゃそうよね。だから話しておきたいのだけれども。

終一は魔力破壊の魔術を使ったわ。」

シャーロットも真面目なトーンでオウカに先程の事実を話す。

一瞬びくっと動いたが、そのまま診断を続けるオウカ。

「それは本当のことなの?」

オウカは冷静にシャーロットの話すことの事実確認をする。

「本当よ。私の魔術すら破壊したもの。魔術相殺も考えたけど、今の終一ではそれ以外考えられないわ。」

シャーロットの魔術は特別製で普通に魔術相殺することですらとてつもない魔術技術が必要になるため、

今の終一がそんなことが出来ないのはオウカも分かっていた。

「ふう。終わったわ。」

そうひと段落するオウカに終一は尋ねる。

「ありがとうございます。それで俺はどうでした?」

魔力を禁止されていたのに使ってしまったことが今になって罪悪感として襲い掛かる。

「結論から言うと何の問題もないよ。至って健康体、魔力痕も綺麗になくなってるし。

けど、今回は魔力破壊で失った細胞が多かったから一部はもう元には戻らないよ。」

驚くべき回復力だが、未熟な技術で使った魔力破壊の後遺症の細胞の破壊までは完全に治らなかった。

それは最高位の治療術師のオウカが手を尽くしても、だ。

「そうですか。いいつけを守らなった俺も悪いですからね。」

少し落ち込む終一にオウカが発破をかける。

「でもね終一君。こんな回復力はアクマですらいないのよ。

終一君だったからこれぐらいで済んだの。

だから自分の魔力のコントロールしっかり身に付けてこんなことのないようにしなさい。」

そこには歴としたオウカ先生がいて終一の心は少し楽になった。

「はい。俺、しっかり頑張ります。」

笑顔で終一は答えた。

「じゃあ今日はもう帰りなさい。またここに来ないことを願ってるわ。」

いつもとは違う先生の顔でオウカは終一とシャーロットに言う。

「ええ。わたしも今日は帰ります。」

ずっと部屋の壁にもたれて聞いていたシャーロットがそう答える。続いて終一も。

「俺も帰ります。」

そのまま二人は保健室を後にし、オウカは優しくその二人の背中を眺めていた。


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