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【エッセイ】田舎で起こった忘れられない珍事件を思い出した順に  作者: 来須みかん


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【珍事件②】ぶつかりおじさんVSいかついおじさん

※【ぶつかりおじさん】とは、街中や駅構内などの公共空間で、すれ違いざまに故意に体当たり等の暴行を行う男性を指す呼称、だそうです(Wikipediaより)

《20××年△月〇日》

 大阪の田舎にあるスーパーマーケットにて。

(※【珍事件①】のスーパーとは別のお店です)


 私が店内を歩いていると、急に後ろからドンッと衝撃があり、フラついて前から来ている人にぶつかってしまった。


「すみません!」


 慌てて謝ると、ぶつかってしまった相手は強面(こわおもて)のごつい年配男性。

 この方の見た目は、ものすごく怖い。

 ヤ〇ザですか?って思うくらい怖い。


 でも、なぜか大阪の田舎に住んでいるおっちゃん達は、けっこうこういうタイプの人がいる。


 私も会社員時代に、普通の会社の事務職だったにもかかわらず、上司にこういういかつい外見のおっちゃん達が数人いた。


 一人は、狩猟が趣味で猟銃を合法的に所持していた。

 もう一人は、居合の達人で真剣を扱っていた。

 他にもキャラが濃いおっちゃん達がいた。


 皆さん、外見がどうみてもヤ〇ザ者だったけど、面倒見のいい気さくなおっちゃん達ばかりだった。


 だから、見た目がものすごく怖くても、相手が礼儀正しかったり悪気がなかったりしたら、普通の対応をしてくれる人が多いことを知っていた。


 私がぶつかってしまったおっちゃんも、そういうタイプだったようで、ニコッと愛嬌のある笑みを浮かべて「ええでぇ(訳:いいよ)! 怪我ないかぁ?」とぶつかった私を許してくれた。


 でも、次の瞬間におっちゃんの顔がものすごく怖くなる。


「でも、おまえはアカン」


 おっちゃんの視線の先には、細身の年配男性が一人。

 おっちゃんが、その年配男性を怒鳴りつけた。


「おまえ、このねぇちゃんにわざとぶつかったやろ? 見てたぞ、ごらぁ!」


 えっ?

 私、この人にわざとぶつかられたの?


 そこで私は初めて、この年配男性がウワサに聞く【ぶつかりおじさん】だということに気がついた。


 ぶつかりおじさんって、都会にしか存在しないと思っていたので、こんな田舎のスーパーにいることに私、ビックリ!

 しかも、ぶつかりおじさんの犯行は、ぶつかってそのまま立ち去るものだと思っていたのに、逃げもせずそこにいて、さらにビックリ!!


 おっちゃんに怒鳴られたぶつかりおじさんは、体がすくんでいるのか微動だにしない。


 おっちゃんが「このねぇちゃんに謝らんかい!」と言ったとたんに、ダッシュで逃げ出すぶつかりおじさん。


「待てごらぁ!」と叫びながら、それを追うおっちゃん。


 一人、取り残される私。


 私の代わりに怒ってくれたおっちゃんにお礼を言いたくてしばらく待っていたけど、その後、会うことはなかった。

 どうしようもないので、その後は普通に買い物して帰った。


 今回のことで分かったのは、大阪の田舎で【ぶつかりおじさん】をやるのは命がけ。



 別の珍事件につづく

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