〜セブンスソード‐終焉世界に刻まれし七つの禁忌刃‐〜
未だ宇宙が「意志」を持たぬ原初であった頃、運命を否定せし"七つの断罪刃"が、虚構と現実の狭間にて誕生れ堕ちた。世界《エーテル・ファルマゲドン界層》は、幾重にも重なる階層世界によって構築されている多次元定義体(マルチ=パラレル=エゴ=スペース)である。
その根幹構造を司る超存在、《原初理神イェン=ソフォス》は、力の均衡を保つため、七柱の"始断者"に七つの断罪刃を託した。
・†炎哭剣(エン=アズラーイル)
・†氷涙剣(グラシエル=ネリュール)
・†雷絶剣(ヴォルト=ラディエル)
・†風刃剣(アエリス=ヴァルナス)
・†大崩剣(ガイアズ=レムナント)
・†深淵剣(ネザ=アナイアレイター)
・†光刻剣(ルクス=インペリアリス)
それぞれが世界律を支える柱にして、触れてはならぬ封断神具であったが――
ひとつの"例外"が現れた。
彼の名は――
†アリス=ゼクト=カーディナル=ネメシア†(年齢不詳/外典暦零年の“境界の子”)
かつて世界から否定された存在。"断界域(エクス=デリートゾーン)"にて発見された彼は、常に黒き断罪装束《クロノ=ヴェスティージュ》に身を包み、左腕に刻まれし【反律紋章:Ω】によって、全ての定義を否定する力《アカシック=リフレイン》を保有していた。
彼の眼には、万象の「原罪」が映る。
「我が剣は、因果を断つ刃。
我が眼は、虚構を見透かす瞳。
我が歩みは、終焉を導く運命そのもの。
故に我は、我に問う……“何故、我は存在するのか?”」
そう、彼こそが……
かの“七剣”をすべて解放する鍵(キィ=コード)となる唯一の異端因子《アンチ=フェイト》。
世界の裂け目から現れし虚無の使徒たちが人々の魂を喰らう世界。
秩序は壊れ、時間は逆行し、生と死の境界は意味を失った。
だがアリスはそこで“彼女”と出会う。
†レヴィア=セラフィム=エクリプス†
黒翼の叡智持つ銀髪紅眼の少女/死神王の継承者にして自らを「世界を滅ぼす者」と称する異能者
彼女の手には、一振りの剣が握られていた。
それはかつて、神を断罪した剣。第七の刃――
《†光刻剣ルクス=インペリアリス†》
「お前は七本の剣を集めようとしているのか?」
「いいえ。七つの剣を、世界から消すためによ」
「……ふ。いいだろう。ならば共に歩もう。“真なる滅び”を見るために」
――かくして、二人の「世界反逆の旅」が始まった。
ーーー
「……よし、完璧だ!」
俺は意気揚々と、自作の小説を投稿した。
これで未来はバラ色、書籍化やアニメ化も夢じゃない。20年間の引きこもり生活も、今日で終わりだ!
……のはずだった。
翌日、投稿サイトの管理画面を開く。
PV(閲覧数)はゼロ。
ブックマークもコメントも、なし。
「……いや、まだ反映されてないだけかも」
1週間経っても状況は変わらず、何度も更新ボタンを押すが、数字は動かない。
「なんで誰も見てないんだよ……!」
部屋に響く俺の悲鳴の背後から、重い足音が近づいてくる。
「おい、晩飯できたぞ。
焼きサバだ、お前の好きなやつ」
父さんの声だ。
足音はまるでボス戦の演出みたいに床を軋ませる。
現れたのは、ベテランのファンタジー作家、栗頭重慶先生。
還暦過ぎてもバリバリ現役の俺の父だ。
「また変な文字列を打ち込んでたな?」
「変な文字列じゃねえよ!これは俺の世界観なんだ」
「お前、また“†”とか“=”を乱発して、“†アリス=ゼクト=カーディナル=ネメシア†”って何だよ。中二病はいつまで引きずるつもりだ?」
「いや、今はこういうのが流行ってるんだよ!」
「20年前のお前もそう言ってたな。あと“エーテル・ファルマゲドン界層”とか“マルチ=パラレル=エゴ=スペース”とか、読者に喧嘩売ってんのか?」
「うっ……」
「お前が引きこもってる間に読者の忍耐力は激減してるんだぞ?こんなの開いた瞬間に閉じられるに決まってる。まあ、そもそも開かれてすらいないけどな」
「つ、辛い……」
「それに主人公の名前に“†”を付けるの禁止。神々しいの通り越して寒気がする。それに語りすぎだ。“我が剣は因果を断つ刃”って、Twitterの痛いポエムか?」
「ひどいよ、父さん!」
「導入部分で固有名詞を18個も出すな。
読者が世界に入る前に世界が終わる」
「数えないでくれ……」
俺は机に突っ伏し、うめいた。
「でも物語としては悪くないと思うんだけどな」
「完成してないよ。完成ってのは読者が世界に入り込めて初めて成立するんだ」
「……ッ」
「……仕方ない、俺が直してやるよ」
「ありがとう、父さん!」
ーーー
《†光刻剣ルクス=インペリアリス†》
「お前は七本の剣を集めようとしているのか?」
「いいえ。七つの剣を、世界から消すためによ」
「……ふ。いいだろう。ならば共に歩もう。“真なる滅び”を見るために」
――かくして、二人の「世界反逆の旅」が始まった。
俺達の戦いはまだまだ続く!!
今まで応援ありがとう!!
〜完〜
ーーー
「終わっちまったじゃねーか! 父さん!」
「あんな物語は終わらせて当然だ。
そして……この物語もこれで終了だ。
読者の皆さん応援ありがとう! じゃサヨナラ!」
「え? えぇーーーーー!!」
――完




