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【一話完結型】ユニーク異世界転生物語短編集  作者: I∀


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13/14

〜マジカル・サンシャイン〜

 目が覚めたら、真っ暗だった。


「おかしいな、車に轢かれて死んだはずだけど、これ、棺桶の中か?」


 そう思っていたら――


「よかった、目が覚めたんですね!」


 謎の美少女(声だけ)に助けられた。……が、やっぱり暗い。顔が見えん。


「すみません、ランタンが切れてて……これどうぞ」


 そう言って渡されたのは、光る石。いや、ほんのり光るだけ。懐中電灯の豆電球モードくらい。


「これで最大光量です」


「暗いな……今何時?」


「今13時の昼ですけど……」


「……え!?」


 俺は絶望した……


 どうやら、この世界には“太陽”が存在しない。よくある異世界転生で「剣と魔法!ハーレム!冒険!」を想像していた俺には、想定外のシナリオだった。


 とにかく、住民たちは暗闇に適応しすぎていた。


 ――例えば:


・学校は「光感知力」を競う授業ばかり。


・味覚も暗い中で鍛えられたせいで、全員やたら塩っぱい物が好き。


・みんな、性格が陰気。


・恋愛は基本、声と手触りで判断。顔は関係ないらしい。合コンで「肌触りタイプっすね」って言われた。なにそれ怖い。


・そもそも明かりが好きじゃないっぽい。


「俺たちの世界にはな、太陽ってやつがあってな、あったかくて明るくて…こう、ビタミンDが作れるんだよ」


「びた…?えっ、太陽って飲み物なんですか?」


 全く、会話が成立しねぇ。


 そんなある日、俺はひらめいた。


「この世界に“太陽”がないなら、作ればいいじゃないか!」


 そう言って、太陽の代わりになる超巨大な懐中電灯を作ることにした。電池はどうするかって?魔力で動くに決まってるだろ。ここは何でも有りの異世界だぜ。


 俺は完成した超巨大な懐中電灯を“マジカル・サンシャイン”と名付けた。そして、"マジカル・サンシャイン"を空に掲げて叫んだ。


「これが俺の太陽だああああ!!」


 ――数秒後。


「ぎゃあぁぁぁああ!」

「目が!目がぁあああ!!」

「眩しいぃぃぃ!!」

「やめて!文明が崩壊するううう!!!」


 住民全員が暗闇適応者だったことを忘れていた。


 その後、俺は“まぶしすぎて危険な男”として地下に軟禁された。

 最早、俺の気分は完全にモグラだ。


 いつかこの世界にも、俺の"マジカル・サンシャイン"によって、目を細めるような「朝」が来ると信じてる。


 ……いや、サングラスからかな。



 ――完

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