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GOD HAND  作者: ホムポム
第9章  あなたとの約束
184/184

第184話  死守


魔狩人達は怪物襲来を聞かされても

その場を動かずにいた。



「怪しすぎるわよ!

ニーチェに連れて来られたようなものじゃない!」


激高の表情を浮かべるのはシェリル。

魔狩人は思案しエリーは、


「ニーチェが……何故?」


リアが怖がらないように抱き寄せる。

怪物の規模などはわからないがエリーに恐怖はない。

いざとなればダーク……は手伝ってくれない。

エンハンスを喚べば喜んで協力してくれる。


問題はこの大きな街で生首の悪魔を

連れて歩く危険性。

人々の恐怖に引きつった表情をエリーは覚えている。



魔法を使うのもどうなのだろうか?

エンハンス無しでしっかりと行使出来るのか?

わざわざ自分から魔法使いと知らしめるのは

良くない。


残すは…………

「お人形さん…………」


黒髪の人形が声をあげる。

「ゴ命令ヲ」

獣耳の人形が奇声をあげる。

「ホクセイカラクルヨ。タクサンクルヨ。」



「とりあえず移動しようか。

避難勧告も落ち着いているし、

案外慣れているのかも。」


魔狩人の意見に二人は頷き、街の中心部に集まった。



…………………………


「町人、旅人、全員か?」

屈強な身体の男が声をあげる。


「はい!怪物の発見が早かったので

落ち着いて移動出来ました!」


「アイツ……本当になんなんだ?」


男が住民達を見渡し顎で合図をする。

近くにいた冒険者達も頷く。


「皆さん!集まっていただき、有難うございます!

先程言った通り怪物が押し寄せて来ています。

ヴァイス王国兵士はこの街の援護には来られません。」


住民達の落胆とも諦めとも取れる表情。

次々と町が攻め落とされているのだ。

初めこそ王国兵が町に繰り出して討伐していたが、

怪物の数が多く、負傷者が増え、

今では見捨てている現状を知っている。


『自分達でなんとかしろ』


直接言われていはいないが

そうとしか思えない。国は民衆を守らなかった。



「大丈夫です!此処には術士が3人います!

彼等の祈りが神様に通じれば

怪物達も撃退出来る筈です!

私達も皆さんを守りますので

どうか勝手な事をしないでいただきたい!」


冒険者達は落ち着いている。

住民達を囲うように三方に術士を配置し、

更に術士の周りに3〜5人の冒険者。



「魔狩人……どうする?」


「俺に聞くなよ。王女……どうしますか?」


「わ……わたくし?あ……えっと……どうするとは?」


「シェリルは術士です。

俺も神様の力を借りられます。

この街に力を貸すか、王女だけを守るか……です。」


魔狩人はエリーの護衛だ。最悪彼にとっては

王女一人生き延びればいい。

最悪自分達が死のうとも……それが彼等なりの誇り。


「皆さんに力を貸してあげて下さい!

わたくしも自分の身ぐらい守れますわ!」


エリーの強い瞳に魔狩人とシェリルは頭を下げた。


「死人だけは出さないようにします。

王女は俺の近くにいて貰っていいですか?」


エリーがコクンと頷くと

魔狩人は大地に左手を当て瞳を閉じる。


「   生命鼓動(ライフサーチ)    」




魔狩人が立ち上がり冒険者達に告げる。

「5キロ四方の生命反応は大型が200だ。

北西が150。後は散らばってる。」


「生命神様の声が聴ける術士か……ありがてぇ。

数も凡そ一致している。

とにかく北西だ!北西を死守!」


「この疾風のマイストが伝えに行くぜぇ!」


伝言を賜った男は風のように走り出した。


北西ら威勢の良い掛け声が中央広場まで響いて来た。


………………

…………………………



「……………………。」


シェリルを含めた術士が祈りを捧げる中。

魔狩人は北西を睨みながら思案していた。


今やっている祈りは大地の大神様に捧げる祈り。

複数人で同じ祈りをする事によって、

威力と時間が変わってくる。


魔狩人は大地の大神の声が聴こえないので

術士の護衛。現在はシェリルと王女を守っている。


今のところ問題ない。問題ない筈が


「……この街は何度も街に襲われてるのか?

無償なんだろ?どこからそのやる気が湧いてくる?」


「この街が襲われるのは初めてだよ。

俺たちの旅よう根無し草でも街を守りたいからな。

落ち着いているように見えて皆精一杯さ。」


「…………そうか。」


…………

…………………………


1時間経とうとも怪物は街に侵入して来なかった。


シェリルを含めた術士が同時に瞳をあける。

「…………街の中に入るように伝えて!」


「いいや!大丈夫だ!元から街の外で戦ってねぇ!

街中に入ってる残党はこっちで処理だ。」


先程の伝言の男が白い歯を見せた。



シェリルは頷き両手で大地を包むように覆い


「   大地陥没(グランドダウン)  」


4人の術士による神術が発動された。


小さな地震がおき、街中に変化はなく、街の外、

取り囲むように大地が幾重もの大穴を開け放つ。

怪物達を近づくけさせない。


それでも近づこうとする怪物を

大穴から放たれる大地の杭が襲いかかる。

怪物達は手出しが出来ず、


距離を大きく開け姿を消し

ひとまず街の安全だけは保証された。





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