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GOD HAND  作者: ホムポム
第9章  あなたとの約束
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第179話 道化の挑戦


「………………ふぅ。

なんか増えてたりしないッスかねかね?」


生命の花を酒場の女将に届け、

アサミ達と別れを告げ、懐中時計に向かって

一人喋り続けていたニーチェ。


自らのカバンをゴソゴソと確認している。


「ん〜……よし!正常ッス!

お金ちゃんなら増えてても嬉しいんスけどけど!

急に生命の花を増やされても困るッスよ〜。」


『……………………。』


独り言を呟き続ける。

時間は間違いなくアサミと別れた直後。

ニーチェはこれから魔狩人やリアの居る

斡旋所に向かう。


前回は向かった。

前々回も何度も何度も何度も何度も


そしてこの手は悪手だと悟る。

この方法はアカリが止まらない。

暴走したアサミが止まらない。


止める可能性のあるダーク.ノヴァ。

彼は動揺し常にアカリに魂を砕かれている。

悪魔に唯一と言っていい程の特効。

龍の角を以てして穿かれ

エリーの安全を願い死んでいく。


動揺の原因は把握した。

自らがエリーを傷つけ、守ってほしいと願った

妹のメアリーをダークが殺したのだ。


ヴィジャ.カフスの力を介して。


「神様の御尊顔ッスか〜。

あっしでもヤバいッスか〜?」


『どうだろうね?魂を含めて砕くから

君でも死ぬと思うよ。』


仮面を外したダークの顔。

神曰く、ダークは神の顔を創っているらしい。

決して見てはならない。わからないからこそ、

その顔を想像するからこそ神は偉大であり続ける。

それを理解すれば神は信仰を失う。


失うぐらいなら……そのような存在は殺す。

神の審判を経て極刑か否かを判決する。

エリーは理解する前にその姿を

エンハンスが無理矢理、変換した。


結果エンハンスは神の姿を瞳に収め消滅。

メアリーは綴じた瞼の裏に直接焼き付けられた。

当然生かす訳にはいかない。



「止めるのは……ヴィジャ.カフス。

……でいいんスかねかね?」


『好きなようにしなよ。

結果だけ出せば過程は必要無い。』


「…………りょ〜かいッス。」


ニーチェは神に仕事を与えられている。

それを遂行する為の力も与えられている。

常人ならば誰もが羨む力。


《時間操作》

神の遺産である懐中時計を媒介に術を発動させる。

時の流れに逆らい自身を過去へと戻す神の力。

ある程度好きな時間に戻れるが

細かい設定などがニーチェには理解出来ない。


1分巻き戻せば1分の時もあれば

1分で3ヶ月の時もある。

ニーチェには法則が掴めない。


それだけならば万能な力だ。

しかしその力はニーチェの為のものでは無い。


……結果を出すまで永遠に戻り続ける。

時間の流れに身を任せる当たり前の幸福を得られない。

神の奴隷そのもの。


もう一つ。不出来な羽ペン。



………………


トルコマン達が居る場所は覚えている。

あまりにも早く引きづられたが

道を覚える暇などないが

何度も何度も行っている。流石に覚えた。


「今回はあんよが上手ですし……

話しだけでも聞いてもらって、ん〜……

あの馬鹿野郎と同じ悪魔だから油断は禁物ッス!」



森の深い場所。

その廃墟は存在している。

ゆっくりと足を踏み入れ、

僅かな物音にビクつきながら


悪魔達が要るであろう扉に手をかけた。


「……誰だァ?」


「……………………。」


やはり、当然居る。

トルコマンとヴィジャ。


「あ……あっしは………………あ……ぎ……」


「テメェの答えなんか聞いてねぇよォ!」


二人の悪魔が視界から外れていく。

身体は悪魔にむけている。しかし……顔。

そして首がギリギリと不快な音をたてながら


「  ガッ……………ミ……」


一人でに首を180°回したニーチェは

その場に倒れ込んだ。


「……普通の亜人だなァ。

タイミングか悪かったなァ?

そろそろ他の悪魔が集まるゥ。

邪魔だから消えてろォ。」


更に首を360°首の骨とが不協和音を奏で

ニーチェ.ランカスターは絶命した。




ーーーーーー


ニーチェはその場にへたり込んだ。

場所はアサミ達と別れ懐中時計に一人

喋りこんでいた場所。

日の高さも同じ。懐中時計の時刻は


「…………増えてる。」


8時を指し示していた。


しかし前回と同じ場所。同じ時間。

正確な懐中時計は正確な場所を示している。


「……今さら考えてもわからんッス!

もう一回!喋った瞬間殺されるんなら

お淑やかに黙ってみるッス!

あっしの得意分野ッス!」



………………

…………………………

…………………………………………


ニーチェは変わらず同じ場所に居る。

何をやっても殺される。

これは理解出来た。あの悪魔が邪魔だ。


アサミに余計な事を吹き込んだ元凶。

無視する手を考える。


自分がリア達と別れずに

アサミの場所に戻らない。その結果はわかる。


アサミは一人で悪魔の住処へ乗り込み

何をしたのかわからないが、

何を言われたのかは想像がつく。

狂った形相でリアを殺しに来るのだ。



時間が限られている。

まずリアの足取りが掴めるのが今が最短。

それ以前は全くわからない。


行方不明とはよく言ったもので、急に現れるのだ。

どうせならもう少し行方不明になってほしかった。


「もう一回……行ってみるッスかねかね。

レッツチャレンジ!」



回数を数えるのが馬鹿馬鹿しくなる程の挑戦。

ニーチェは廃墟へと足を運んだ。



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