シナリオ『飛ぶ鳥を落として』④
区切り悪いです、、すみません
【剣唄の妄執】を肩に担ぎ、私は草原へと向かう。
目指すはあの場所。私が死んだ地点。
腰には禍々しい短刀を幾本か佩き、道行くプレイヤーが私を見ては目をそらす。
「準備は万端。殺せるまで殺しに行くだけだ。」
物騒な言葉を紡ぎながら、私は街を出る。
緑風が頬を舐め、緑色の大地へ私を誘う。
引き込まれるように奥地へと歩を進めた。
「なぁ、我は何をすればいい?」
ツクヨミが心配そうに私に問いかけた。
いつもとは違う、しおらしさに少し目を細めて提案する。
「君の役割は翻弄と避けタンク、あいつは速いけど、君ならできるよね?」
NOとは言わせない。ツクヨミならできると信頼しているから。
私の意思を汲むかのように、ツクヨミは笑った。
「ははは!任せろ、ミストよ。我は貴様の盾であり、従者なのだからな」
ふふんと調子を取り戻したツクヨミが鼻を鳴らす。
その様子を見て、私は口角を上げた。
「そうじゃなきゃ!何度でも挑もうね?」
「貴様の何度でもは辛いがな……」
なんだと!?と怒ったふりをしながらツクヨミの耳を引っ張って進む。
目的地に付けば、そこはデータの円環に状況を留められていた。
円環に触れると『挑戦しますか?』の表示。
「行くよ、ツクヨミ」
「ああ!」
YESを選択し、円環の内部へ。
円環の向こうにやつはいた。
刃のように煌めく翼を広げ、私に威嚇する。
甲高く、鉄がこすれ合うような絶叫に物怖じしそうになるが、私は短剣を取り出した。
そして刃を向けて宣誓。
「ラピッドヘルホーク。あんたを殺す。」
鼻で嗤うようにラピッドヘルホークは吐息を漏らして飛翔する。
足のブースターから風が噴射され、一瞬で最高速度へ。
「舐めんな!」
胸のあたりに仕込んでいた紫色の宝石が輝いて攻撃を防ぐ。
「まず一発。」
弾かれたラピッドヘルホークに鎌を一閃。
ガギィンと腹の底に響くような不協和音を鳴らして奴は吹っ飛んでいく。
持ってる宝石は後6個。つまり六回攻撃させる前に殺し切る。
あの速度で移動するやつを六回攻撃させる前に殺す?バカバカしくて涙が出るよ。
しかし、私は口角を上げて嗤う。
「クソゲーだな。こいつ」
そう、クソゲーだ。高耐久、高機動、一撃必殺。魔王城の大ボスくらいで釣り合いが取れるくらいだ。
解体新書のキマイラなんかこいつに比べたらチャンバラと銃撃戦くらい違う。
二匹と一人。いざ尋常に。




