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魔術習得


「クソがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


私は天に向かって高らかに吠える。

セーフティエリア内に響き渡る咆哮で、ツクヨミも目を覚ました。


「どうしたのだ?ミスト」

「いや、魔術の作成がうまくいかないだけさ。」


そう、魔術の作成が死ぬほどうまくいかなくて私のイライラはマックス状態なんだよ。

人には当たらないようにしているからまぁ良し。

素材が足りなくて四回くらい取りに行ったほどだ。面構えが違う。

気分を晴らすためにコメントを見る。


:コメント:

:もう6時間も作ってるけど大丈夫?

:上位陣でもうまくいかないからしゃーない

:頑張れ!応援してるよ!

:素材をギフトで贈るわ


「え!?いやもったいないですよ!?失敗するかもしれないし」


心優しいプレイヤーが私にギフトで送ってきた。

送られてきたのは『ウィンドリザードの緑風鱗』と『テンペストラビットの暴風魔石』ってやつ。

これ、第2エリアの素材じゃん!?


「いいんですか?こんなに貴重なものをもらって」


:コメント:

:いいんだよ、俺は使わないし

:や さ し い せ か い

:こんなに優しいプレイヤーがいたなんて


「ありがとうございます!早速作りますね」


新しく手に入れた上級魔石を鍋にぶち込んで煮詰める。

『キャンプファイヤー』は実に便利だ。火力調整もお手の物だね。

そこに『風』属性の素材を全て入れて煮込む。

ミニエアバードの肉を細かく切って鍋にいれる。


「匂いは普通ですね。見た目はエグいのに」


鍋の中には、緑色のどろっとした液体が煮詰まっていた。

正直、食欲は沸かない。

『厄災の魔力』を取り出して鍋に込める。

魔力を限界まで詰めて、『錬成台』に置く。

『言霊支配』を起動し、イメージをしながら言葉を紡ぐ


「『世界に宿る厄災の風よ、来たれ。我は王』」


周囲に風が吹き始め、鍋の周囲を取り巻く。

緑色の風が徐々に暴風となり、轟音を立てて荒れ狂う。


「『我は汝らを統べるもの。我が汝らにふさわしいか、その目で確かめてみよ』」


暴風がより一層苛烈になり、周囲の素材のいくつかを巻き込んで取り込み始める。

暴風に瞳のような模様が出現し、私を静かに見つめる。


「『来たれ、厄災の風よ。我は理を超え、汝らの王となろう』」


暴風が解き放たれ、鍋の姿があらわになる。

緑色のシチューが中に入っていました。なんで?

正直に言ってあんまり美味しそうじゃないし。

とりあえず解析しよう。


△△△△△△△

【厄災の風を宿したシチュー】

推奨レベル 無し

魔力密度 極高

属性 『風』

効果 このアイテムを食した場合に、厄災の力を得る試練を開始する。

説明 原初の風、厄災をもたらす暴風を宿した緑色のシチュー。

力を欲するなら、食すがいい。

△△△△△△△


怖!?特に何も説明がないのが怖い!

まぁ、食べるんだけどね。

スプーンを取り出してシチューを口に運ぶ。


「正気か!?」


ツクヨミがドン引きしている声が聞こえたが、気にしない。

シチューを口に入れた瞬間、濃厚な肉の風味と、透き通る風のような後味が口内を支配した。


「うまぁ!!!」

「ついに味覚が狂いおった」


いや、本当に美味いんだよ。

思わず数分で食べ終わって、試練が来るのを待つ。

五分ほど待っても、試練が訪れる気配はない。


「あれ?来ない?」


そう思ったのも束の間、私の全身に裂傷が浮かび上がった。

激痛が私の体を支配し、私は絶叫する。


「ギャァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」


痛い、熱い、痛い痛い痛い痛い!!!!!!!

地面に倒れ込み、私はのたうち回る。


「ミスト!!大丈夫か!」


駆け寄ってきたツクヨミを手で制し、私は立ち上がる。

今、私の体を切り裂いている『風の魔力』を『魔力支配』のスキルで抑え込む。

風も負けじと押し返してくるが、全力で叩き潰して黙らせる。

痛みと裂傷も殆ど消え、ダメージが減っていく。

そこから数分立つと、インフォがなった。


『プレイヤー名、ミストが【魔術】を全プレイヤー初の取得をしました。称号【原初の魔術師】を取得しました。魔術【◯◯】を取得しました。名称を設定してください』


よっしゃぁ!魔術、ゲットだぜ!





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