暗殺者
「ちょっと!速すぎぁぁぁ!」
俺達はルナの護衛を撒くために走っていた
「なんで!?護衛から逃げるのよ!」
「「……………」」
決まっている、ルナには護衛と言っているが、あいつらは暗殺者…多分だが、あのアスライって奴の仕業
どうやってかは知らないがルナが俺達といるのを知ったらしいな
「銀、白…」
俺は二匹と目を合わせる、その瞬間二匹はスピードを上げる
「あいつらに追い付けるのはいないだろ」
「せやな、それにルナの前で人殺すってのも、なぁ」
「でも、これなら!」
その瞬間、後ろから短剣が飛んでくる
「桜風!」
ミユの魔術で弾き返す、現れたのは三人、全員黒い服で統一している
「誰の命令だ?」
「「「……………………」」」
「答えなくてもいい、覚悟は出来てるんだろうな?」
俺は魔歩で三人の後ろに回る、そして太刀を振る
キインッ!
「っ!!」
止めやがった、こいつがリーダーか…残りの二人は反応出来ていない
「………」
「「……………」」
リーダーらしき奴が首で指示を出し、残りの二人は先に進む
「ミユ、追え!」
「分かった!」
ミユに二人を任せて俺はリーダーを……
森に鳴り響く金属音
「っち!」
「………」
リーダーの奴は思った通り強い
俺は魔歩で後ろに回るがリーダーの奴の魔歩は確実に俺より上、更に後ろを取られる
「ちくしょう!」
俺は森の中で魔術を使うわけにはいかない、向こうは風の魔法を使ってくる、なので俺には切り傷が増える
「このままじゃっ!」
「……………………」
「なんか喋れよ!この野郎!」
横に一振り、リーダー(仮名)は後ろに魔歩で下がる
「ん?」
俺は魔歩で下がったリーダー(仮名)の足跡を見る
魔歩は瞬間移動じゃない、あくまで速い動きで一瞬で移動したように見せているだけだ
魔歩で出来るのは直線的な動きだけ、俺が後ろに回り込む動きでも数回、魔歩を使っている
しかし、リーダー(仮名)はただ下がるだけの直線的な動きで数回の魔歩を使っている
「………っ!」
そういえばリーダー(仮名)は先に魔歩を使ったことがない
なら、リーダー(仮名)は魔歩が速いが短い距離しか出来ない!?
「なら……」
先に突っ込んでは不利、相手を先に攻撃させる
にらみ会う俺とリーダー(仮名)
「……気付かれたか…」
「喋った!?」
しかも女!?
「お前は森の中では魔術が使えない、魔歩は私より下手、剣術も特別強い訳ではない」
「随分調べたんだな」
「Sランクが相手の仕事だ、これくらい当然」
「なるほど」
「確かに私は短距離しか魔歩で移動出来ない、しかしお前を倒さなければならない」
「なぜ?」
「生きていくため……」
リーダー(仮名)は短剣を構える
「私は名前などない、家族などいない、仲間などいない……さっきの二人だって、この任務中だけの関係だ」
「そうか……ならここで死んでくれ」
俺は太刀を納める
「確か…居合いと言ったか?」
「あぁ、今から真っ直ぐ突っ込む、お前が俺の後ろに回るより速く殺す」
「………………」
「………………」
無言の二人は、その間に一枚の落ち葉が空中を漂う
その落ち葉が落ちた瞬間……両者は動き、決着がついた
パサッ
リーダー(仮名)の顔を隠していた布が落ちる
そして、整った顔、薄翠の髪、エメラルドグリーンの目が現れる
「どういうことだ?」
「暗殺者は顔が割れたら商売できないだろ」
「………………」
「今、ルナの暗殺を受けていたリーダーが死んだ、さぁお前はどうする」
「私は……」
「居場所が無いなら俺と来い、お前の居場所を一緒に探してやるよ」
「……なにを言っている?私はルナソン女王を暗殺しようとし、お前の命も狙ったのだぞ?」
「そんな奴はさっき殺したよ」
「なっ!…………ふふっそうか…」
「そうだよ」
「なら私を新しい場所まで連れていってくれ」
「ああ」
「おーい、ミユ」
「おっ優やん!………ってその女は誰やねん!」
「誰でもないさぁ~」
「優の女癖は一回真面目に直さないかんな」
「…………へっ?何か言った?」
「なんでもあらへん!」
何で怒ってんだ?
「っで、あいつらは?」
「ほれ」
木に縛られ、気を失っている様だ
「なら」
俺は顔に巻いている布を取る
両方金髪の男、一人は細みでもう一人はガッチリしてるな
「おーきーろー」
「「げふっ!」」
俺は二人を蹴り起こす
「やーやー、起きたかな?君達の顔は覚えたよ、これで暗殺業は無理だね?どーする?」
この言葉で二人は顔に巻いている布が無いことに気付く
「…………なら、死ぬしかないは」
「暗殺業が出来なきゃ、自分達にに生きる道はないですからね…」
「それは違う!」
「その声!?あんたか!?」
「私は……新しい自分を探しに行く」
「でもな、俺達は暗殺者だぜ?一度人を殺したら戻れない、それはあんたも知ってるんじゃないか?」
「そうですよ、暗殺に失敗したんです、次は自分達が狙われる番ですよ」
「それなら俺が守ってやるよ」
「何を言ってるんですか?」
「お前はあれか、馬鹿か?」
「馬鹿さ、でもな、やり直せない人間なんていないさ」
(俺がそうだったように……)
「………面白い、俺達は人間の中で底辺にいたんだぞ…それをやり直すか?」
「自分達も馬鹿なりますか!」
「よし、なら行くぞ!」
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