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第十四話 証


「きゃー!!なにこれ!」

甲高い声を上げた佐々木優衣(ササキユイ)


「なに、どうしたの?」

 マリコは立ち上がって様子を見ると


「これ!」

 ユイの鎖骨あたりに黒い十字架…そう、刺青のようなものがついていた。


「え、ユイちゃんタトゥーしてたの…?」

「違うよ!」

 ミサの声に全力で首を横に振る


「うわ!俺にも」

 タクミが声を上げると左腕に同じ紋様が浮かび上がっていた。

「えっ…」

 アイコや先生、トウヤ、タケルやミサ、マリコ、委員長のサヤカも自分の体を確認する。


「私にも!」

 ミサが声を上げ、紋様を表す


 腕や足首、手首や首。皆にそれぞれ紋様が入っていた。

「こんなのゲームであったの?」

 っとユイがミサとマリコに尋ねる


「いや、知らない。こんな紋様見たことないし」


 すると__コンコンっと扉が叩かれ部屋はしずまり扉の方に注目する


「失礼します」


(あ!あのひと…!)

 マリコとミサはすぐに反応した。


 切れ長の目、自然の中にいるような緑色の髪、そしてエルフ族の特徴である耳。


「僕はアルデン・グリーンリーフ。女王陛下の名により貴女方異世界人へ世界の説明と補助を拝命(はいめい)致しました。どうぞお見知りおきを」


 胸に手を添えてニコリと笑うアルデン。


 ミサとマリコが反応したのはゲームの世界でアルデンが登場していたからだ、プレイヤーの魔法を使うためのチュートリアル担当、そしてスキルを覚える際に話しかけて習得したり、またサブクエストも存在したり、メインストーリーにも絡んでくる。大変人気のキャラクターである。


「突然連れてこられて困惑していると思います。ですがこの国…いいえ、世界に貴方がたは必要な存在なのです」


 委員長サヤカが手を上げて立ち上がる


「あの…それって、さっき言っていた魔王…とか魔物?とかそれを倒せってことですか?」


 それにコクンと頷くアルデン


「この国は比較的安全…ですが、徐々に世界は闇に呑まれています。数百年前魔王が討伐され、そしてすぐに新たな魔王が復活。徐々に力をつけ魔物が世界中に溢れ、災害が発生村も街も国も滅んでいます」


 生徒達は顔を見合わせる

 突然…そんな現実味のない話をされても分からないのだ。

その中で声を荒らげるタクミ

 バン!っと机を叩いて立ち上がる


「んな勝手なことあるかよ!俺達には俺達の日常があったんだ!勝手に呼び寄せて世界を救ってくれだ?女王がなんだ!魔王がなんだ!帰せよ俺らを!」


 ズンズンとアルデンに近寄り睨みつけるタクミに一瞬キョトンとした顔をしたアルデンがすぐにニッコリと笑った。


「おや、聞いていませんか?今のところ貴方達に帰還する方法はありません。知っているとすれば女王陛下だけです。」


「なら!女王に会わせろよ!」

 そう言ったタクミに黙っていたタクミの友達である三澤大希(みさわだいき)が駆け寄ってタクミを羽交い締めにする。


「落ち着けって!タクミ!当たっても意味ねぇだろ!外に放り出されたらどーすんだ!」


「くっ」

 タクミはアルデンを睨みつけるとダイキの手を振り払ってアイコの横にドカッと座った。


「では、順を追って説明しましょうか、貴女方が落ち着いた頃、謁見(えっけん)を頼みますので」


 つまり、今は会わせられない、そういう事だろう。


「まず、異世界人を召喚するには訳があります。異世界から召喚されたものには特別な職業(ジョブ)が付与されているはずです。聖女や勇者は召喚者にのみ与えられ、この世界の住人はその職につけません。そしてその他の職業(ジョブ)は、強化された職業(ジョブ)です、剣士は剣士でも、異世界人の剣士はこの世界の住人の2倍、人によってはそれ以上の戦闘力に匹敵し、またレベルも上がりやすいのです」


 レベルも上がりやすく、戦闘力も強い、そして魔王を倒す術を持つとされる勇者や聖女といった特別な職業(ジョブ)を持っている人間。だから異世界からこの世界に召喚するのだという。

 そして、最初に付与された職業(ジョブ)から他の職業(ジョブ)に変更は可能だが、異世界人が新たな職業(ジョブ)を手に入れるには特別な試練を受けて神に認められることによってなれるという、だが、変更した職業(ジョブ)はこの住人のレベルもステータスも二分の一にまで下がってしまう、いつでも元の職業(ジョブ)に変更できるとはいえ、スキル獲得するにも時間がかかるしメリットがあまりない。


「魔法や、職業については御理解いただけたでしょうか」


 すると、再びサヤカが手を上げる


「あの!このマークはなんですか?異世界人特有の…模様みたいな?」


(あれ?今一瞬目が鋭くなったような)

 っとアルデンを見ていたマリコは首を傾げる。

 だが瞬きの一瞬でアルデンはニコリと笑っていた


 (気のせいだったかな…)


「はい。その通りです、それは異世界人である証。特別な待遇を受けることが出来ますよ。さぁ、今日はお疲れでしょう。屋敷を用意してあります。」


 扉を開けたアルデン


「リタ、彼らを屋敷まで案内して差し上げなさい」


「はい、かしこまりました」


 (鬼神族だ…)

 マリコはリタと呼ばれたメイド服に身を包んだ女性を見つめる、額から角が出ていて恐らく間違いない。

 たしか鬼神族は最近のアップデートで追加された種族だったはず。こんな子ゲームで、このシルバーリーフ王国にいただろうか。


 


 


 





 


 

 

 

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