組織の料理事情②
「それじゃあ、ケーキよろしくね。デミ君。」
ボスからペアの話を聞いた後、俺、ボス、莉那、神牙先輩の4人は組織のキッチンにいた。
「っておい?莉那は分かるけど、何でボスと神牙先輩までいるんですか?」
というかアダドはいつこの中に紛れ込んだんだ?
「忘れたのか?ウルス?ケーキは私も貰うと言っただろう?」
「それでここまで付いて来たんですか……。」
それならまだ納得できる。
「それじゃあ、アダド先輩は?」
「甘いものがそこにありそうだから!(キリッ)」
これはダメだろう。というかキメ顔で言うようなことじゃない。
「先輩って甘いもの好きなんですか?」
「うん、最高に好きだけど?」
これは以外だ。てっきりコーヒーとかが好きそうなのに……。
「でも先輩……甘いものがそこにありそうだからって、先輩がどこぞの登山家みたいなことを言うとは……そんなセリフはアウトじゃないんですか?」
「デミ君が言う資格は無いんじゃないかな?」
「失礼な!俺はそんなセリフいいままでに5、6回しか言ったことがないぞ。」
「十分だと思うんだけど…。」
フレイヤの言っていることはよく分からないな。
「・・・・・・さて作りはじめるか。」
「・・・・・・・・・あれっ?私、もしかしてデミ君に無視された?」
もしかしなくても無視しています。
「この中で料理したことのある人って居ます?」
出来れば手伝って欲しんだけど……。
「出来ないよ?」
「出来ると思うかい?この僕に。」
「無理だな。」
・・・・・・全滅ですか。ここの組織の家庭科のスキル低すぎる気がする………。
「マジですか…。少なくとも先輩は出来ると思ったのに…。」
「悪いね。俺はほら、食べる専門だから…ね?」
ね?って先輩の顔が普通に整っている分余計イラッってするんだけど……。
「じゃあ、食材の見分けが付く人は?」
これならどうにか・・・・・・
「お魚とお肉ぐらいなら…。」
「白菜とキャベツの違いならいけるけど?」
「砂糖と塩ぐらいならどうにか…。」
・・・これは………
「ぜんぜんダメじゃないですか…。まずフレイヤ。それぐらい常識だから!おばさんに教えてもらうとか言ってなかったけ?そして先輩。何でそこで白菜!?普通キャベツとレタスの違いじゃないの!?最後にボス。それくらい舐めれば誰でもわかりますから!?なんでそんなにダメなんですか!?あんたら!?普段料理しないんですか?」
大丈夫かこの人たち?スーパーとコンビニ閉まったら生きていけないんじゃ……。
「お母さんから教えてもらった日に厨房に立つなって言われたけど…」
莉那はすでに諦められていたみたいだ…。ナイスおばさん!
「俺のところは基本ペアの奴が作るから…。」
「先輩のペアって……。」
確か……
「トリトンだけど?」
マジか・・・。トリトンが料理作ってんのか・・・。
ボスは?と視線を向けると……。
(サッ)
目をそらした!これはアカン奴だ。
「・・・ボス…。」
「・・・・・・何も言わないでくれ…。」
「はい……。」
あれ?目から汗が?暑いからかな?・・・ははっ。
「大丈夫ですよ、ボス。この中では料理できる人は1人。料理の出来ない人は3人。多数決ではこっちが勝っているんです。つまり数の多い私達のほうが正しいんです!」
莉那が人差し指をビシッっとこちらに向けてくる。おい…指を人に向けるな行儀が悪いぞ。
「そうだな。うん、きっとそうだ。ありがとうフレイヤ。おかげで元気が出たよ。お礼にさっきの報酬カットは無しだ。」
「ありがとうございます、ボス。」
・・・・・・ダメだこいつら。速くどうにかしないと……。どうすりゃ良いんだろう?




