X街誕生
カオス回
家の建築は進んでいった。
まず土台部分だが、これはベータが斧でバッサリカットして加工した板を使った。
するとなにか表示が出た。
<<スキル クラフト を 獲得 しました>>
ああ、これで手に入ったのね。
どうやらポチ以外の全員にその通知がいったらしい。
そしてイプシロンがどうやら帰ってきたらしい。
「許可が出た、森の大部分でなければ私有地として認めるだそうだ。」
イプシロンは言った。
そしてそこそこの大きさの土台になると角に加工を施した。
メイスを取り出し、メイスで木材を短剣で加工して作った杭を刺した。
これを4つの角にすることで土台が強くなるのだ。
そしてこの杭を凹型にする。
そして凸型に加工した丸太を刺す。
これにより柱が完成する。
あとも凹凸を利用して建物を作っていった。
途中柱部分にトカゲの皮で作った紐で補強をした。
そして3日くらいぶっ続けでやっただろうか、ついに家は完成した。
なぜここまで早いかというと大量に分身を使ったのだ。
分身たちには、道具は木を加工して作った簡易的なものを持たせた。
「みんな頑張ったな。」
合計30人はいるだろう僕に言った。
ガヤガヤ騒がしくなった。
「ところで、エックス、この増えた分身だがそのままにしないか? 」
アルファは言った。
ちなみになぜ個体がわかるかというと、水色の天使が分身の識別名を表示してくれるように世界の声を加工してくれたからである。
「じゃあ分身達に名前与えるか? 」
ベータは言った。
「かなりの作業になりそうだが。」
イプシロンは言った。
「識別名ない奴は、名前つけてやるぞ! 」
僕は言った。
「名前だが、付けてもらった奴の名前+番号だ。」
僕は言った。
「俺につけてもらった奴ならエックス-2から始まる名前だ。」
僕は言った。
そして人がわらわら4人に並んだのである。
「じゃあ君はエックス-2ね。」
僕は言った。
「やった! 」
X-2は言った。
「えーとじゃあベータ-2で。」
ベータは言った。
「俺はベータ-2だ! 」
ベータ-2は言った。
そして最終的に
全員の名前-10までになった。
というのも、きりをよくしたいというので分身して追加で増やしたのだ。
「ステータスを見るか。」
僕はステータスを見た。
HP 10/10
MP 10/10
体力 1
魔力 1
素早さ 1
腕力 1
魅力 1
運 1
スキル
分身 魂と魂コアと体を分割
合体 魂合体
液体化 体を液体化
変質魂 世界に合わない魂 互換性を持たせるのに苦労しました。
複合技リスト
液体分身 液体化した自分から分身を作る
魂吸収 魂単体ならば合体をして吸収ができる。ただし吸収された魂のコアは死んであの世へ行く。
どうやら他の僕の分身達も疲労してるようだった。
「とりあえず、みんな分担して生活を始めよう。」
こうして僕達の新生活がはじまった。
X系の名前を持つ人は、いや僕は、クラフト係。
素材をもらうとみんなの道具を作っている。
α系の名前を持つ僕は、戦闘係。
戦闘して魂を吸収するのだ。
魂はどうやら、だれか吸収しても分身全員に還元されるらしい。
手に入れた素材はX系の部隊へ運ばれる。
β系の名前を持つ僕は、家管理係。
家の建築や家の家具の制作、設置をしている。
X系の部隊は、クラフトのために材料採集に遠征することもあるが
常に家にいる係なのでこの部隊は絶対に拠点にいるのだ。
ε系の名前を持つ僕は、諜報・防衛係。
僕たちの家の脅威を知らせるとともに、防衛系設備などの設置や防衛も担っている。
数人が定期的に城に行き、何か命令がないか聞いていく。
結果元オークの森は、エックスの村となっていったのである。
家は、次第に増えていった。
それにより個人個人の意思が強くなっていった。
その結果水色の報告によると分身の魂自体の意思が強くなっているらしい。
それは、僕達全体が強くなることでもあるらしい。
その結果部隊制での役割は残るものの、徐々に社会主義から資本主義に移行していった。
まず配給制が消える大きな出来事があった。
それが下記の商人ギルドである。
そして、気の合う仲間達が集まり、食事をする酒場。
いやまぁ食事は絶対に必要ではないけど、個体ごとのエネルギー補給に役に立つ。
酒場の親父は、β-5。
杖を持った神官の恰好をした僕の分身が死んだ仲間を復活させている教会もある。
識別名システムがしっかりしていて、生き返ったとも個体を認識できるとか。
水色さんサンクス。
神父は、x-10だ。
そして、戦士ギルドができた。
戦士ギルドに努める僕たちの分身は、α部隊の者が多い。
鍛錬をしているのだ。
もちろん鍛錬した結果は全員に反映されるのだが、個人の意思は独立してるので個人個人の戦法を磨くことにもなるのだ。
リーダーは、α-6だ。
そして職人ギルド。
僕が所属しており、僕の分身のX-2がリーダーとなっている。
新たに物を開発して、仕入れてきた設計図を元に物を作っている。
X系とβ系のものが多い。
リーダーは、β-4で、サブリーダーがx-5
そして商人ギルドだ。
これは、街へ行き来する際に、興味を持った宮廷経済士が考えたもので、僕達の中での専用通貨の発行を取り締まっている。
また設計図の保管などもしており財政の管理のなどで日夜僕の分身が悩んでいる。
リーダーは、ε-4だ。
そして役所。
これは、新たな仲間を分身で作りたいときに申請してその名前を決めることのできる場所だ。
リーダーは、α-5だ。
分身は、申請者が作る。
そして申請者の名前にさらに数字がついたものが名前になる。
X-2-2などがその例だ。
そして名前は記号で表示という義務化がされた。
そのほうが事務処理が楽なのだ。
この役所により人口は40人から60人に増えた。
そして宿屋や商店ができた。
宿屋は、家をまだ持たない僕の分身が通貨と引き換えに滞在している。
そして城。
これは最初の分身である部隊リーダー達が集まる場所である。
資本主義化され、部隊行動が廃止されているが、リーダーの会合は続く。
仲裁役には、僕の暇つぶしの分身により出てきたωが努めている。
どうやら自我の強い意思が分身として出てくるらしい。
U字テーブルに全員座った。
「どうしてこうなった。」
僕は言った。
「いやしかし、分身が増えて強くはなっただろう。」
βは言った。
「しかしなんというか、集団としての強さだからなぁ。」
αは言った。
「だがしかし、いい街だな。」
イプシロンは言った。
「しばらく見ないうちにどうしたんだこれ、状況は把握してるけどさ。」
ωは言った。
「まぁ、ご主人が増えてる様はすごい異質だぜ。」
ポチは言った。
「僕達の分身が消費しているエネルギーは激しく僕達は同じ魂を共有していることから、今の経済が成り立たなくなれば分身を減らさないと維持はできない。」
εは言った。
εはε-4とつながりがあり、それにより経済に感心があるのだ。
「なるほど、確かにそうだ、だからこの街ができたのは強くなるためには必須だ。」
ωは言った。
「まぁ確かに楽しい生活ではあるよ、目的をもって生活するのは。」
βは言った。
「訓練兵を志願する奴もいるし、いいんじゃねえかリーダー。」
αは言った。
「そうだな、ただ最近自分でもこの状況に慣れれないくらいの栄えっぷりだよ、今朝なんか他の街から商人きてたし。」
僕は言った。
「それだが、βとε系ナンバーの奴が協力して道を作ってたな。」
βは言った。
「俺の元部下達も楽しそうだったよ。」
εは言った。
「というか物語が必要なのに、ここに安住してるけど天使的にはどうなんだろ。」
僕は言った。
すると天使が現れた。
赤色である。
「うん、そうだね、物語エネルギー的には街が一つ増えたから、ちょっとは増えてきてるよ、だけど私の計画台無しだね。」
赤色は言った。
「えーと、青色が言ってた、堕天使吸収計画だっけ。」
ωは言った。
「あいつ言ったのか、ほんとシリアスもできないんですね、腐りきってますわ天界は。」
赤色は言った。
「まぁ熱心だよな、赤色は。」
ポチは言った。
「物語にシリアス路線はなりやすいので、黒幕的な立ち回りしたかったんですけどね、守護天使は物語エネルギー集める気がないのか。」
赤色天使は言った。
「いや、十分お前黒いわ、堕天使といえども、天使だろ? 」
僕は言った。
「確かにそうだが、堕天使は、仕事を放棄して悪事を働く元守護天使だからな。」
赤色は言った。
「お前とか、堕天使予備軍じゃね。」
βは言った。
「やんややんや。」
αは言った。
「いや、本当にね。」
εは言った。
「というか、お前本当に狂ってやがるな、分身だけで街を育みやがって。」
赤色は言った。
「ご主人をほめても何も出ないぞ。」
ポチは言った。
「βさん大変です! β-3-2とβ-4-2が部屋を寝室にするかリビングにするか揉めています。」
駆け付けたβ-6が言った。
「ええい、β-6の判断に任せる。」
βは言った。
「というかね、このままここに住むならね、あなたたち全削除してもいいのよ。」
赤色は言った。
「そしたらますます物語エネルギーがなくなるぞ。」
僕は言った。
「きっと彼女は、どうしても物語エネルギーがほしいのだろう。」
ωが言った。
「魔王倒せよ! 」
赤色は言った。
「じゃあ、えっと、魔王倒す部隊を募集しよう。」
βは言った。
「なるほど、α系の奴は戦術に優れている、よし、ならば魔王を倒す勇者を探そうではないか。」
αは言った。
「あんたらはそれでいいのか。」
赤色が言った。
赤色の狂った目や美貌など僕達には正直関係なかった。
「じゃあ一応僕は、リーダー的存在なので僕も魔王倒しに行こう。」
僕は言った。
「じゃあ戦士ギルドのα-6に紹介してもらおう。」
αは言った。
---
「はぁ。」
赤色天使はふとため息をついた。
「エックス達面白いことになってるね。」
水色は言った。
「ある意味守護天使でも驚くレベルではある。」
青色は言った。
「奴らの中で魔王討伐に行く部隊が組まれているな。」
黒色は言った。
「赤色よ、お主は物語エネルギーを集めるのに、必死になりすぎじゃ、もう少し彼らをゆっくりさせてやれんかの。」
じじいは言った。
「堕天使さっさと吸収させるぞ。」
赤色は言った。
「そんなにやりたいなら、堕天使をあいつらの街に飛ばしてみるか?」
水色は言った。
「それで! 」
赤色は言った。
「待て! 神が作った元守護天使の堕天使を元人間に吸収させるなど冒涜だ。」
黒色は言った。
「いや、私が思うに堕天使の存在そのものが冒涜だね、コアになって普通の生き物になるがいいさ。」
赤色は言った。
そして天使達は儀式を始めた。
エックス達の街はどうなるのか!!
カオスは避けられないのだ。