第47話 死と破壊の豪雨 ショットガン皆殺し
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ピンポイントに凝縮された火炎攻撃魔法が2つのベッドを燃やす。
ホテル自体が火災にならぬようコントロールされたそれはしかし人一人を十分燃やし尽くせる攻撃魔法だ。
だが、在野の魔法使いたちはそこにターゲットが寝ていないことをすぐに理解した。
周囲を慌てて探し始めた時。
「どこを燃やしているのかしら♬」
笑みを浮かべた第一級魔導士の放つ氷河が襲撃してきた者たちに襲い掛かった。
ザシュッ!という音と共に血の噴水が部屋の壁を彩る。
マリエッタの吹雪系魔法を集束させて鋭い槍状にした高速氷河槍4本が真っ先にドアをけ破って侵入してきた魔法使いと、鋼で出来た両刃の剣で武装した冒険者風の男の喉と肩口にそれぞれ2本ずつピンポイントで突き刺さり、2名は声を挙げることもなく鮮血をほどば知らせながら倒れこんで動かなくなった。いずれも傭兵ギルドに属する在野魔法使いと剣士の類だろう。
勢いよく突入した2名が血しぶきを上げて後続の4名は動揺している。
「おい、なんだよこいつ!楽ショーで倒せるコソ泥じゃなかったのかよ!?」
「あたい10万ギダもらえるって言うから参加したけど、こいつまさか帝国軍の魔導士じゃん!?あのクソオヤジ騙したわね!!ランクが違いすぎる!!!」
「おい、こいつからはほとんど魔力反応がないぞ!こいつから叩け!!!!」
エリカに攻撃が集中しそうになった時。
カシャンッ!という鈍い金属音の後、エリカはウインチェスターM12の引き金を絞った。
ドゴッッ!!!!!
さらにエリカは引き金を絞ったままの状態で、M12のスライドを左手で前後に連続でスライドさせた。
ドゴッッドゴッッドゴッッ!!!!!!!!!!!!!!!ドゴッッ!!!!!!!!!!!!!!!
まるで爆炎魔法を放ったかのような音と共に鉛の粒が魔法使いと冒険者4名に死の豪雨を降らせた。
ウインチェスターなどの古い年代に作られたショットガンは引き金を絞ったままの状態でスライドを前後動すれば連続で発射できる機構を持つ。
銃と同時に召喚した教本に書いてあったスラムファイアと呼ばれるテクニックだ。
コントロールされた暴発とも言うらしい。
4匹は一瞬でひき肉のかたまりと化し、腕や足が吹き飛んだ。
頭が吹き飛び、体に穴が開いて瞬時に吹き飛び体を壁に叩きつけられる。
悲鳴としてすら成り立っていない声を挙げる冒険者や魔法使いたち。
魔法使いの一人は顔の半分が吹っ飛んで青い血を床と壁にぶちまけた。
まだ息のある魔法使いが驚愕の目でエリカの銃を見た。
「なっ……、何じゃそれは!!!!!そんな武器は見たこともない!!!わしの防御魔法が簡単に突き抜けるとは!!!!この魔女めええ!!!!!!」
魔女の防御魔法などラグナロク鋼でコーティングしなくても十分貫通できる。
ザコが!
エリカは心の中で罵る。
「在野の外道魔法使いだな、魔女はお前だ!」
「どこの所属だ?」
「うるさいわね、帝国魔導士だからってえらそばりやがって!!!!」
「エリカ、どいてて。こいつら人間じゃないわ」
マリエッタはとどめの氷河槍を魔法の杖から放った。
魔法使いの口から突き抜けて後頭部から突き出た。
「下等生物が人間語をしゃべるな」
マリエッタは汚物を見る目で串刺しの魔法使いに突き刺さった氷の槍を足で蹴ってさらに深く後頭部から氷河の槍先が飛び出た。
唯一生き残って腰を抜かしていた剣を持つ冒険者は変身魔法が解けた。
オークであった。
他の魔法使いや冒険者も同様に変身魔法が解けた。
全員モンスターで、口の歪んだ男のエルフや小柄なオーガ、スケルトン。
魔法使いは野生魔女として知られる人間の老婆に似た亜人魔女だった。
主に共和国ではモンスター出身でも傭兵になれる。
床や壁にぶちまけられた血の色から途中で分かったが、改めて人間から元の姿に戻ったモンスターを見るとひどく醜い顔つきのものばかりだ。
大体傭兵に志願するモンスターとはこういう脛に傷を持ったようなのが多いが。
エリカはオークから鋼の剣を取り上げ、鞘に納めて魔法箱へ収納した。
死んだモンスターの死体からも使える武器やアイテム、現金合計2000ギダほども回収した。回収した武器やアイテムは武器専門店などでそれなりの値段で買い取ってくれる。
中でも亜人魔女の所持していた魔法の杖は宝玉がそれなりに質が良く、高値で買い取ってもらえる。
「たっ助けてくれ!おれは金で雇われただけなんだ!」
だがオークは直後、目にもとまらぬ速さで懐から気絶する薬を取り出して飲んだ。
拷問される者が時間稼ぎのために飲む薬で毒はない。
だが、これを飲まれるとなかなか起きない。
「増援が来る可能性があるわ。早く背後を吐かせないと!」
「マリエッタ、待って」
「どうしたのエリカ。って!?」
「本で習ったやり方を試してみる」
エリカの魔力はほとんど封印されていて使えない。
けれど火を起こすくらいの原始的な魔法は今でもできる。
エリカは左手の指さきに小さな明かりのになるようなサイズの火をともした。
それで気絶した歪んだ面構えのオークの鼻の穴をあぶった。
「どあちゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
オークはただでさえ歪んだ顔をさらに苦痛で歪ませ、鼻を両手で押さえながら涙目全開でマンドラゴラをひっこ抜いた時のような叫び声をあげた。
「誰に頼まれた?」
エリカは小さく平穏な声で、しかしすごんだ。
エリカの眼力に中年冒険者はひるんだ。
「おっ、俺はベルガルド。見ての通りオークの冒険者だ!出身はルスベルクの辺境!冒険者って言ってもこのアポログラスみたいな傭兵を募集してる国を渡り歩いて稼いでいる!」
「私の質問に答えろ。誰に頼まれた?」
「そっ、それは……。傭兵ギルドの旦那が俺らモンスター出身の傭兵や魔法使いにコソ泥を捕えたら10万ギダくれるって言うから……」
「誰に頼まれたのか」
冷静だったエリカの声に初めて怒気が含まれた。
「傭兵ギルドの旦那があんたらを殺したら大金をくれるって言ったのは事実だ!!殺しの依頼はたまに来るがほぼモンスター狩りで人間相手の殺しもあるけど、しかしいずれにせよ10万もの大金をもらえる案件はめったにない!詳細を聞いたらギルドの旦那はアポログラスの治安警察からの依頼だと言ってた!!」
「治安警察の誰だ!」
「それは俺にもわからない!だが、俺らがあんたらを殺せなかったらこの後で治安警察が出てくるとも言ってた!!!!」
しかし!
「うへぐぐぐぐぐぐっぐぐぐ!!!ぐるじいいい!!!だずげでええええええ!!!!!」
オークは突然苦しみだし、口から泡を履いて動かなくなった。
「秘密をしゃべろうとすると発動する即死魔法か。呪詛系の嫌な外道魔法だ」
エリカがオークの死を見届けたその直後だった!
すさまじい警報音がホテル中に鳴り響いた!
とっさにマリエッタは窓から注意深く外を除いた。
ホテルの外にアポログラス共和国の治安警察部隊と帝国軍魔導士、そして、帝国軍の重装歩兵部隊が周囲を包囲していた!
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