第3話 口論
「ちょっとお、エーデルったらどこ行く気!?」
マリエッタは同期のエーデルたちに別室へと連行された。
ガチャ!
ドアの鍵が他の同期生によってかけられる。
エーデルとその派閥は6名、計7名がマリエッタの前に仁王立ちする。
皆マリエッタを見る視線は厳しい。
そして、エーデルはマリエッタに魔法の杖を突きつけた。
「なにエーデル?ここで私と魔法勝負する気?」
「マリエッタ!またあんな公平かぶれと付き合って!少しは帝国貴族と兵学校出身の身分を考えなさい!」
「おおかたああいうのは魔女堕ちしちゃうタイプじゃない?」
「エンリッタ!言いすぎよ!撤回して!」
「あーごめんごめん、祝いの門出でこんなこと言ったら私の品位が確かに下がるわ。ごめんあそばせ♬」
「オー怖い怖い。ごめんなさいねマリエッタ侯爵令嬢。祝いの門出ではしたないマネをしまして♬」
「エーデル、エリカは大変な努力をしてあそこまでの実力を身につけたのよ。おまけにあの子は本来は・・・・・・・」
「たかが一代貴族上がりだろ。おまけに不祥事を起こしてもはや平民でしかない」
「言っとくけど、あの子は私やあなたより強いわよ」
マリエッタの言葉にエーデルの眉間に殺意のこもったしわが寄る。
それを見たマリエッタの表情からも余裕を持った笑みが消えた。
「せっかくの門出でこれから兵学校同期だけの祝いの席も控えてるってのに、ここであなたと決着をつけようかしら?」
マリエッタはそう言うと右手に何かを念じた。
すると、右手に鮮やかな銀色の金属製の杖が現出した。
格式の高い白金のような金属でできたそれにはおそらく相当な価値があるであろう魔法の宝玉が埋め込まれている。
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「エリカ、どこ行くのよ!?」
アリスがカナッペをほう張りながらエリカに小声で叫ぶ。
2人はマリエッタの後を追って荘厳な廊下を走っている。
「マリエッタが心配になって。あの雰囲気じゃ何かまずいことになりそうで」
「あのエーデルっての前からなんか私も苦手なのよ。帝国貴族の家の出で私ら平民出身をガチで見下してくるし、ちょっと魔力が秀でてるからって調子乗りすぎなのよ!」
廊下を走りながらアリスはエリカに小声で愚痴をこぼす。




