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帝国に裏切られた最強魔導士は、異界の銃で反逆する  作者: Wahrheit2026


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第2話 "異世界"からの召喚物

お読みいただきありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価をよろしくお願いいたします。

はっと私は目が覚めた。


時刻は夜。

どうやら昼寝をしていたようだ。

ほんの1週間前の光景を鮮明に思い出して寝汗をかいている。


ベッドから起き上がってエリカは椅子に座りながら天井を見上げた。


“魔導書でも読んで落ち着こう……”


隠れ家での生活も安定してきた1週間後のある夜の事。

毎日、夜にはマリエッタの用意してくれた隠れ家の本棚にある魔導書を読むことを日課にし始めた矢先のことだった。


近くでとれたベリーの若葉からハーブティーを作る。

寝汗をタオルで拭いてからお茶の匂いで気分を落ち着けた。

飲みながら適当に本棚から魔導書を無作為に取り出し、机に広げる。

ふと適当に最初に開いたページ、その中に妙な記述があった。



その人の運命を打破できるものを得られる魔法の術式というものだ。


私はまだ眠気がおぼろげに残る中、半ば冗談でその術式を詠唱した。




すると、その部屋の中に広大な魔法陣が展開された。


今の私には魔力が大神官どもに封印されたせいでほとんど魔法が使えない。


だが、展開されたのはできないはずの、かつては当たり前にできた上級魔法の術式。


私が慌てていると、リビングの方から鈍い金属音などの音がするのが聞こえた。


慌ててリビングへと向かう。


そこにあったのは、明らかにこの世界のものではない“何か”と書物の山だった。


外見からして金属などで出来ている“何か”と、多くの見たことのない書物の山。


“なに・・・・・・これ・・・・・・?”


私は眠気が一気に吹き飛び、黒や砂の色で覆われた“それら”と金属の箱、書物の山を前にただあっけに取られていた。

初めて“それら”を見た時の私の率直な感想は珍しい物というより、見慣れたもののようで実は違うような不思議な違和感だった。


鈍い黒光りのする細長い棒の先端には穴が開き、我が帝国軍、敵対する共和国軍双方で使われる弩にどことなく似た感じの物体だ。


それに似たものが15個ほど、小さい鉄なのか何かの同じような小型の物が10個ほど、さらには金属の箱が部屋いっぱいになるほど積まれている。


他にも何かの部品が多く積まれていた。


幸いマリエッタが提供してくれた隠れ家は天井が高かったから事なきを得たが、もし狭い場所にこの荷物を召喚していたら間違いなく屋根を突き破っていたであろう。


一体これは……?


ふと我に返り、先ほどまで読んでいた魔導書の箇所を読み返した。


“汝読め。艱難辛苦にありし汝に運命を逆転せしめる力を与えるものなり。古より伝わりし深淵に耳を傾け汝の心に宿りし望みを放たんことを”


先ほど流し読みしながらつい口走ってしまったのはどうやら古代魔法の一種のようで、唱えた者の苦難を逆転する何かを召喚するたぐいのものらしい。


魔導書によると、これを唱えた者の運命を逆転する力を与えるとある。


それがこれなのか?


私は床にずらりと並んだ“それら“の一つを手に取ってみた。


「・・・・・・ッ!?」


想像していた通り重い。


机の上においてみる。


恐らく手でつかむ部分を右手でつかむ。その前には何かのレバーのようなものがついている。


魔法の箒とも、槍とも、弩とも何か違う。


一体何なのだこれは?


だが、私はその時思い出した。

“もしかして!?”

幼少の時まで実家にあったおじいさんの日記に描かれていた異世界の兵器ではないのか?

だが、確証が持てない……。


使い方は弩などに似ているのだろうか?


さらに奇妙なのはその大量の、おそらく金属でできているであろう物体の近くにある書物だ。

手に取ってみた所、見たこともない言語で書かれてありとても読めそうにない。


そうだ、以前までは翻訳魔法を使えたはずだ!

マリエッタがごく初歩の魔法力だけは回復してくれたと言っていたから、翻訳魔法は使えるかもしれない。

異種族との会話や捕獲文書などを瞬時に翻訳して読めるようにする便利な魔法だ。


それを発現してみた。

使える!

通して読んでみた。

読めた!


1冊目を読み進めいていく。

どうやら何かの物語らしい。

私はわれを忘れて夜遅くまで読みふけり、気づいたときには時計はもう深夜1時を指していた。



翌日、私は昨晩読んだ本をもう一度読み返した。


幼少の時から数多くの書物を読んできた。

詩や物語も多く読んできたが、私の目の前に突如として現れたそれは今まで私が呼んできたどれにも当てはまらない衝撃的なものだった。


それは“異世界”に生きる人物を描いていた。

それもただの人間ではない。

それは強大な力を持った宿敵たちに復讐するという物語だった。

かなり屈折した人格のアウトローが復讐を行うすさまじい物語だった。

我が国においても共和国でもこれほどの復讐劇を描いた物語は見たことがない。

そして、私が興味を引かれたのはそれだけではない。

読み進めていくうちに、その物語の世界に登場する主人公が使う武器こそが、もしかしたらこの本と同時に出現した金属製の何かの正体なのではないかと感じるようになった。

どうもそれらは“銃”と呼ばれるらしい。


私はその本を皮切りに他の書物も次々と読み漁った。


その中には例の“銃”という物を解説した本が多く含まれていることが分かった。

たしかにそれらの物語に書かれる主人公の使う武器は銃と書かれてあり、どうもそれらは弓矢のように金属の矢じりを飛ばす武器らしい。


私はさっそくその手順書を手に、“銃”を調べてみることにした。


ずっしりとした金属製の重い黒光りは、私の今の心をそのまま映し出している感じがした。

先が全く見えない日々。

だが、その物語を読んでいくうちに、絶望に打ちひしがれる私の心に光がともっていく気がした。


禍々しい輝きを。


私はそれからさらに“銃”に関する異世界からの書物を読み漁った。


異世界からの書物は大きく分けて2種類あった。


1つは“銃”の詳細を記したもので、文章と魔法で表したとしか思えないような現実と寸分たがわない絵画で記されていた。

どうやら“じゅう”は私たちのあずかり知らぬ異世界の戦争で使われているものらしい。


“銃”はどうやら異世界では“がん”とも“てっぽう”とも呼ばれている武器らしい。


もう一つは作者不詳の物語を現した書物の一群。

異世界を生きる主人公がたった一人で強大な敵に“銃”を武器にして戦いを挑むすさまじい物語の数々に私は息を飲んだ。


今まで型にはまった世界しか見てこなかった、そして、戦場や司令部で何か疑問を感じることがあっても、どこかで帝国を信じる私の世界だった私は唸った。

徹底して己のみを信じ、既存の価値観にとらわれず、ただ自らの信念と野望のみに生き抜くその姿勢に。


絶望の中で私は何か開いてはならない希望の扉を開いた気がした。



内容から見てついているレバーのような部品を指で“絞る”ことで小さな金属の塊を弩の様に放つことができるようだ。


それだけではなく、連続して発射可能なものも私が召喚した者の中には含まれていた。


私はさっそく使ってみることにした。



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