第2話 祝いの席
式典後の祝いの会場。
豪華なシャンデリアが照らす広間には豪華絢爛な食事と正装に身を包んだ貴族たち、そして本日卒業をした新米魔導士たちを祝福している。
「おめでとうエリカ!!」
「ありがとうマリエッタ」
「君だけだよ、大丈夫なの?私と話して?他の方たちが・・・」
「へーきへーき♬私こう見えてもタフなのよ!それに兵学校の特別式典は後2時間後だしまだ時間はいくらでもあるから♬」
エリカと呼ばれた少女の胸には赤い宝玉が埋め込まれた魔導士の記章がついていた。
帝国の紋章が刻まれた記章は第一級魔導士の証だ。
一方、マリエッタと呼ばれた少女の胸にも同じ記章がつけられているが、彼女のそれには青い宝玉がつけられている。
そう言ってマリエッタは私に魔法で生成された特殊な飲み物をその場で精製した。
「またマリエッタったら。魔法をおふざけに使うなってまた怒られちゃうよ」
「いーのよいーのよエリカ♬ここは祝いの席だし大目に見てくれるって。それにこれはアルコールじゃないからGOUHOUよ!」
この世界では魔法で精製された飲み物は普通のアルコールと同じように陽気な感じになるが、魔法を解除するとすぐにシラフに戻れるという優れものだ。
しかも、アルコールを摂取しているわけではないので未成年でも飲める。
10分後。
「フハーッ♬マリエッタ、ホント作るのうまいね♬」
「でしょ♬貴族がこんな下卑た魔法の使い方すんなっていつも言われるけどいーじゃんいーじゃん♬」
ほんわかした雰囲気で2人はお皿にとったカナッペを口にする。
話を弾ませる会場は赤いじゅうたんと光り輝くシャンデリアが彼女たちを照らしている。
「おーい、エリカ。ここにいたの」
エリカに寄ってきたショートヘアの少女。
「アリス」
アリス・デーレンフェルト。
エリカの大学内魔導士選抜課程の同期だ。
エリカ、マリエッタと同じく、胸元には記章の他に卒業生が共通してつける百合をかたどったリボンがつけられている。
「おっと、これは帝国貴族のブルーメントリット侯爵令嬢様」
急にアリスはマリネッタに臣下の儀礼をして頭を下げた。
「ちょっとちょっと!マリネッタでいいっていいって♬いつものことだけど私そういう方ぐるしいの~水くさいよ~♬」
3人がしばらくざっくばらんに立ち話をしていた時。
「マリネッタ、ちょっと来なさい」
会場の入り口に今日魔導士に任官したばかりの少女たちがマリエッタを静かに鋭い声で呼んだ。
帝国貴族の人間もいる。
兵学校出身者だと帽子と胸の記章の宝玉の色からエリカたちにはすぐわかった。
エリカとアリスの表情がやや曇った。
マリエッタは気だるそうな顔になった。
一瞬彼女の眉間にしわが寄ったのがエリカの目に入ったがすぐに陽気な顔に戻った。
「マリエッタ・・・・・・」
「あー、同期が呼んでるわ!それじゃいったんここでね、お互いおめでとう!また後でね♬」
「お互いおめでとう。また」
マリエッタは重い足取りで兵学校同期の少女たちが待つ会場入り口へと向かった。
エリカはその後姿をみて言いようのない不安に駆られた。
アリスはその光景を見て鋭い視線を会場入り口に向けていた。




