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ダンジョンを出禁にされたJK二人組は、母校の旧校舎型ダンジョンを守護するバイトを始めました。  作者: 椎名 富比路
第六章 激突、鬼怨組との決闘!

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第64話 最終話 JKは今日もダンジョンに潜る

 あたしは、はるたんと島のダンジョンを巡っている。


 他のメンバーは、みんな帰っていった。


 あたしたちは、まだダンジョンを回りきっていない。

 それが心残りで、ダンジョンを回ることにしたのだ。


 別に、鬼怨(おにおん)組の残党を探しているわけでもない。

 出てきたとしても、野良モンスターとして討伐するだけだ。


 まだ回っていないところを、重点的に潜った。


「ここは、レア素材がよく採れるらしいんだけど、敵も強いんだよな」


「まあ、ウチらの敵じゃないと思うけどね。モモ」


 モンスターを撃退しつつ、はるたんが語りかけてくる。

 

「珍しいわね、モモ。あんたが、冒険者のいないダンジョンを回りたいだなんて」


 今の時代、ダンジョンに冒険者はつきものだ。


 あたしの目的は、ダンジョンの攻略ではない。冒険者を殴ること。

 ダンジョンを回っている冒険者も、ダンジョンをまとめる魔王やキラーも、等しく標的である。

 冒険者に、父親をダメにされたから。


 今でも、その気持ちは変わらない。


 とはいえ、あたしの中で何かが変わりつつあった。


「なんかさー。憑き物が取れた感じ。ダンジョンとちゃんと向き合おうって、今は思うんだよね」


 モンスターを片付けて、ツルハシで壁を掘る。


 ダンジョン部と違って、このダンジョンにボスはいない。

 どちらかというと、素材集め用のダンジョンだ。


「こうやってモンスターを倒して、お宝を掘るのもいいなって」


 語りながら、あたしはツルハシを振る。

 

 あたしはヘタをしたら、イバラと同じ感情を持っていたかもしれない。


 それを引き戻してくれたのが、はるたんだった。


 はるたんがいなかったら、あたしも「ダンジョンは殺伐とした空間であるべき」という感情でいたかも。


 いたかった、といえばいいだろうか。


 誰かを憎んで生きているのは、それだけで活力がみなぎる。

 でもそれは気のせいで、実際は心を痛めつけているだけだった。


 もし、はるたんからダンジョンに誘われなかったら。

 あの場でモブとして処理されていたのは、あたしの方だったに違いない。

 そう考えると、ゾッとした。


「はるたん、ありがとうな」


「なによ、モモ。気持ち悪いわね」


 あたしの言葉をスルーして、はるたんはツルハシでダンジョンの壁を掘る作業に戻る。


 ツルハシが、ひときわ甲高い音を発した。これは……。

 

「よし。レアアイテム、ゲットした」


 あたしはツルハシを、壁に立てかける。


 これは見事な、キンキラキン鉱石だ。虹色に光ってんじゃん。

 

「駄菓子屋のおばあちゃんに、加工してもらいましょ」


「よっしゃ。これでドラゴンキラーも、元通りになるかな?」


「あんたの力なら、すぐよ。こっちもペールギュントの修理が済んだら、モモ。再戦よ」


「望むところだっての!」

 

(おしまい)

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